好きな本、その2です
「さようなら、ギャングたち/高橋源一郎」
読み返した回数が一番多い作品がこの「さようなら、ギャングたち」。
本当に大好きな作品で、「一番好きな本は?」と問われたら選んでいるかも知れない。
新刊本、講談社文庫、講談社文芸文庫、と三形態で所有している唯一の作品でもある。
斬新でユーモラスでドライでポップで、それでも全体に哀愁が漂っている。
他の高橋作品、例えば「ゴーストバスターズ」「ジョン・レノン対火星人」等も僕にとっては必須。
「君が代は千代に八千代に/高橋源一郎」
この「本を読みましょ」の日記は1作家1作品に限定しようと決めたのだが、ここだけイレギュラーで。
僕が比喩的に、ではなく、本当に物理的に「吐きそう」になる程に気持ち悪くなった作品が収められているのがこの短篇集(大袈裟でなく、本当にあと一歩で「ゲロゲロ!」とやっていた)。
後味の悪い作品ばかりが集まった短篇集で、本書に寄せられた批評の中で一番的を射ているな、と思えたのが「読まなければよかった」というもの。
「アメリカン・スクール/小島信夫」
表題作の「アメリカン・スクール」は芥川賞受賞作。
敗戦後、アメリカン・スクールを見学にきた日本人英語教師の姿をユーモラスに、かつ風刺的に描いている。
シリアスなのだけれど、そんなシリアスであるが故に笑えてしまう、そんな感覚。
「文章ヘタクソじゃね?」と思われそうだけれど、この文章が本当に心に響いてくるのだ。
「ジェノサイド(上)(下)/高野和明」
マイミクさんが紹介していたので、それにつられて読んだら、あらあら、とっても面白い!
登場人物も結構多いし、アメリカ、日本、アフリカとあちらこちらに飛ぶし、ちょっとよそ見すると振り落とされそうにもなるのだけれど、それら点在している話が、徐々にひとつにまとまっていく快感、とでも言おうか。ちょっとグロい表現や、読んでいて辛い場面もいくつか出てくるのだけれど、大勢に影響はなし。
とても映像的な作品(小説として弱い、ということではない)。
「ポロポロ/田中小実昌」
独特の語り口で描かれる戦争中の出来事。
とんでもない状況だったにも関わらず、その語り口や日本語の使い方のせいか、あまり読んでいて辛くはならない。
下手すると「なにこれ、日本語間違ってるじゃん」と思われてしまいそうなのだが、それがこの田中小実昌という人の日本語なのであり、だからこそ胸に響いてくるのだ、と思う。
Books Of Hours/Anekdoten
Open Book/Cake
Books Are Burning/XTC
ということで、今回はここまで。
ログインしてコメントを確認・投稿する