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2020年01月24日15:03

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「強健術」案内141

今回より第6冊目の著作『活力増進 強圧微動術』(大正9年 尚文堂発行)に発表された呼吸法、実践法を見ていきたいと思います。「強圧微動術」そのものにつきましては、以前にも取り上げましたが詳細は刊行予定『聖中心伝−肥田春充の生涯と強健術』(壮年編)をご覧下さい。

また、この『活力増進 強圧微動術』は後の大正15年に『病弱者の力「強圧微動術」』という題名で尚文社から改めて出版されています。この本は、本文に若干新たな文を追加していますが、実践方法につきましては、初版の『活力増進 強圧微動術』からいくつか削除されたものがあります。

今回は、初版の著作『強圧微動術』に発表された呼吸法、実践法などを見ていきたいと思います。

春充は、前著『体格改造法』を執筆する頃から伊豆八幡野の肥田家に婿入りしています。この伊豆に住み始めた頃から春充の内面が強健術の発展とともに深まっていき、後の「正中心落節」につながっていきます。

今回見ていく呼吸法、実践法は、その過渡期にあり「正中心落節」の片鱗が見える重要なものです。具体的に言いますと、前著『体格改造法』、前々著『強い身体を造る法』では、主に「腰を丸くして腹力を造る方法」が採用されていました。この姿勢は、後に春充が「邪道に陥った」と評する姿勢であり、「正中心落節」の際の姿勢は「腰を反った」状態です。

どうして、「腰を丸くする方法」が邪道であり「腰を反る」方法によって「正中心に落節」したのかにつきましては、刊行予定『聖中心伝−肥田春充の生涯と強健術』(壮年編)「第六章 聖中心落節 第32節 それまでの強健術の誤り」に詳しく論じましたのでそちらをご覧下さい。

今回見ていく『強圧微動術』に紹介される呼吸法、実践法は、この「腰を丸く」した方法と「腰を反った」方法が混在しています。前著『体格改造法』でも、この二つが混在した方法がいくつかありましたが、『強圧微動術』ではこの二つをさらに厳密に使い分けそれに、理論的な分析、解説がつけられており、この境地、研究が深まっていったことをうかがわせます。

また、座禅にも通じる正坐をして行う方法も新たに発表されていると同時に、この著作には「呼吸と丹田」と名付けた章があり、主に禅、ヨーガ、仙道などの養生法、呼吸法、導引法などについて詳細に考察している点からも研究とその境涯が深まっていることがわかります。

次回より、具体的な方法について見ていきたいと思います。

(写真は『活力増進 強圧微動術』と『病弱者の力「強圧微動術」』表紙

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