mixiユーザー(id:1107882)

2020年01月21日06:31

57 view

「強健術」案内138

今回は、『体格改造法』に発表された「肩と呼吸と腹力との調節運動」を見ていきます。

三 肩と呼吸と腹力との調節運動

(イ)前の方法で、左上腕にあてました右手を、右腕一体で右体側に引きながら、腕を右方に伸ばして大きく円を描きます。同時にソロソロと右腕が右上に高く上がるまで呼吸を吸い込み、
(ロ)右腕を顔の前で円を描いて下ろしながら呼吸を吐き出し、右手を五指を内方にして右膝にあてます、上体は左にひねって軟らかに前に屈めます。首は十分に左上方に向けます。左手は左膝にあてております。
(ハ)ウンと腹に力を入れることは前法と同様であります。
(ニ)同時に右膝にあてました右手は、胸を内方にひねりますから、指先が全く外の方に向く様になります。(右手先は膝の処で内側から上方に転回致します)。右肘はひねりながら真直ぐに伸ばして居りますと、肩全体が最も確りした緊張を致します。(肩はなるたけ下に落とします)。
(ホ)首は自然と左前方に向きます。
(ヘ)左右交互で四回。(体格改造法 P.184〜185)

この型も前の運動法に続けて、途切れることなく行うようになっています。

また、今回の「肩」の鍛え方は、前々著『心身強健術』に発表された新式椅子運動法「第三運動法(肩)」の型を発展させたものと言えます。

ですから、これまでの強健術における肩の筋肉「三角筋」の鍛錬の型とは大きく異なります。同様に前著『強い身体を造る法』に発表された足を固定して行う「呼吸応用強健術」においてもそのやり方は、今回の「肩と呼吸と腹力との調節運動」とは違う方法です。

しかし、この「呼吸応用強健術」に今回の型の方法が取り入れられ、後の「簡易強健術」の「三角筋練修法」へと変化発展していくという意味において、その萌芽となるこの型は重要な意味があります。

これまで見てきましたように、「強健術」にはこのような試行錯誤の発展の歴史があり、その形になった合理的、歴史的理由が必ず存在します。

ですから、その最終形態である「簡易強健術」や「気合応用強健術」の形や手順だけを知り、それらをなぞってもその効果を出すことは難しいものがあります。また、「強健術」の「腰の反り」のように、徒にその形だけを真似ても効果が出ないどころか腰を痛めてしまうなどの弊害が起こることもあります。

なぜ「強健術」で「腰を反る」のかはすでに見てきましたが、そこには合理的、体験的な理由が存在しました。このような意味においても、「簡易強健術」の中でも風変わりな形として知られる「三角筋練修法」がなぜあのような形になったのか、「気合応用強健術」の「三角筋練修法」とどうして大きくやり方が違うのか、といった意味と歴史を知ることは大変重要なこととなります。

(写真は、「肩と呼吸と腹力との調節運動」を行う春充)
0 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する