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2020年01月17日00:30

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「強健術」案内134

今回は、『体格改造法』に発表された「腓腸筋鍛錬術」を見ていきます。

腓腸筋鍛錬術
◎氣合(殊に腹力)を以て「ふくらはぎ」を鍛える法

(イ)柱の側方、三尺ばかり離れ、柱に対し後ろ向きになって立って居ります。
(ロ)柔軟、無心、自然体。(以上運動前の姿勢)
(ハ)左足踵を浮かし、左膝を曲げ左足内側の平を正面に向け、重心をスッカリ右脚に落とします。右足爪先は正面に向いて居ります。
(ニ)先づ左脚にて軽く踏み附け、更に右脚でも踏み附け、直に腰を捻り体を左に開くと同時に、左脚を一直線に柱の左側(こちらから見て左)六寸位の所へ踏み込む。
(ホ)其の時右腕は力を抜いて後腰に当て、左腕は前腕を下に捻り、柱で乳の高さ位の所へ親指を手前に四指を向こうにして掌で握みます。(以上準備姿勢)
(ヘ)左脚を踏み込んで腹に力が出来ると同時に、上体は柱の方へ引き附けられます。其の自然の勢いを隙かさず利用して、
(ト)右脚を膝から伸ばしたままスーと床を摺る様に飛ばでて、柱の下部に(下から三寸位の所)足裏を叩きつけます。そして下腹部と腓腸筋とに、強固なる大緊張を与えるのです。
(チ)右足を下ろして左足に引き付け、力を抜いて、自然体になります。
(リ)左右交互、合わせて四回。
(備考)柱にあてた右足踵と、踏み込んだ左足踵とは直角になる様にすれば、正しい力が出来ます
▲柱にあてた手には力は這入りませぬ、足裏を打ち附けた時、両膝の曲がらないこと、足の拇指に力の這入って居ること、この二つに注意しますと、腓腸筋の緊張は、最も自然に楽に出来ます。もう一つ肝要なのは、上体に力を入れない事です。精神を落ちつけ、氣合を込めて、柱を生物のように考え、急激に迅速に活気を入れて叩きつけ、而も焦らず周章ず、秩序正しく、調子を崩さない様にしたいものです。恐る恐る柱にあてる様では、充分の緊張はとても出来ませぬ
▲脚の運動は生理上、直接には、主要筋肉の緊張となりますけれども、一面から云いますと、それは動作を敏活にする根本の訓練となります。体勢変化の精妙極致は、凡て『脚』潜んで居ります。脚の構え方と、脚の働かし方如何にあるのです。又衛生上から云いますと、上部の充血を下げて頭脳を冷静に致します。(体格改造法 P.167〜169)

足踏みをなし体をかわし柱を払うまで、調子よく連続して、寸分の隙あるべからず。『侵し掠むること火の如し』の勢いを以って終始すべし。(体格改造法 P.205〜206)
本練修法は、一面、動作の敏活を期するものなれども生理上、直接の効果は、下脚の鍛錬にあり。されど其の趣旨は武術より来たり。最も氣合を重んずるものなれば、柱は恰も生物の如く心得、急激に、迅速に、閃電的に、活気を込めて蹴り。而もあわてず。調子を崩さず。以て其の効果を十分ならしむべし。柱を蹴りたる時に、其の音は手を以て、肥えたる股を打ちたるが如き勢いあるべし。(体格改造法 P.206)

この型は、『心身強健術』に説明されている型と似てはいますが、始めの身体の向きと脚の踏附の順序などが変化しています。

『心身強健術』では、柱の30センチばかり前に立って右脚を踏みつけ、次に左脚を踏み込むと同時に右足で柱を払いました。

今回は、柱に対して後ろ向きに立ち、左脚、右脚と踏みつけたら、身体を回転させ左脚で柱の左横に踏込み同時に右足で柱を払います。

今回の型は、身体を回転させる惰性を利用した「利動力」を最大限に引き出したものと言えるでしょう。

今回の「腓腸筋鍛錬術」で『体格改造法』に発表された「強健術」は最後となりますが、今回の「強健術」の全体的な特徴は、前々著『心身強健術』で発表された「気合応用強健術」の原型とも言える型に、前著『強い身体を造る法』に発表された「簡易強健術」の原型となる型の新たな要素を付け加え、さらに「踏附」、「踏込」、「利動力」の応用を強化したものと言えるでしょう。

そのような意味で『体格改造法』に発表された型は、完成形の「気合応用強健術」に至る過渡期的な型と位置づけることができます。

(写真は、「腓腸筋鍛錬法」を行う春充)
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