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2020年01月16日09:40

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「強健術」案内133

今回は、『体格改造法』に発表された「上脚二頭筋鍛錬術」を見て行きます。

上脚二頭筋鍛錬術
◎氣合(殊に腹力)を以て股の下部の筋肉を鍛える法

(イ)何心なく無邪気に立って居ります。
(ロ)両腕を垂れて、ソッと拳を作ります。(以上運動前の姿勢)
(ハ)全身に力を入れず、自然のままに右足を軽く一歩踏み出し、惰性で体が前に傾いた途端。
(ニ)爪先を下げて左脚の股を床と平行にする程度まで上げ、スッと急激に踏み落として、腹筋を確り緊張させ。(以上準備動作)
(ホ)ハッと思う途端、些の有余もなく、右脚を真直ぐにスポッと蹴上げます。
(ヘ)其の瞬時▲左足は確りと爪先で立ちます。▲上体は柔軟にしてやや前にかがめ▲右膝はピインと伸ばして居ります▲蹴上げる時其の方の足の爪先に力を入れて足裏で床を摺るようにスウット上げるのです。▲脚が上がって仕舞った瞬間には、力は踵に込め、爪先は成るたけ頭の方へ近づけます▲蹴上げた脚は、顔の中央の空間へ来るように致します▲蹴上げた時、視線は何物かを無辺際の天上に蹴上げて、其の行方を追う気味で爪先に注ぎます。
(ト)蹴上げた右脚を下ろした時、左脚を之に引きつけ両足とも爪先で立ちます。タヂタヂする様ではいけませぬ。
(リ)蹴上げた脚を下ろしたら、視線はもとの角度に復します。
(ヌ)以上右上脚二頭筋一回の運動で、左右交互、回数合わせて四。
(備考)要領い合してやると、上脚二頭筋だけが、キュウと最も強く緊張を致します。
▲日本人のように、永く坐る習慣のある者は始めは一寸困難かも知れませぬが、筋肉は覚醒を与えて鍛錬しますと、だんだん柔軟になります。(体格改造法 P.165〜166)

 本運動の目的は、純粋なる動作の敏活なれども、直接最大の極度の緊張をなすは、上脚ニ頭筋)なれば、もし蹴上げの際、膝が曲がり居らば、この筋の緊張を得ること能はず。注意すべし。この法、コーベット外二三体育家の運動法を参酌したる所ありと雖も、下腹部の緊張と、足拍子の氣合とに於いて、予が独特の法則を加えたるものなれば、実行者は其の点に十分注意せられたし。(体格改造法 P.205)
将に蹴上げむとする時、上体を少しく前に曲げ一方の脚の踏み附けを確りやって腹に力を込め、蹴上げる方の脚をすっかり伸ばして足裏にて地をするが如くすることが此の運動に於いて上脚二頭筋を緊張せしむる要領の秘訣なり。これさえ分かれば、どんな人にても、足先を頭並まで蹴上ぐることは、決して六づかしきことにあらず。(体格改造法 P.205)

この型も、前々著『心身強健術』に発表された型とほぼ変化はありません。変化した部分は、蹴上げた後の脚の動きです。『心身強健術』では蹴上げた後に左脚、右脚、左脚、右脚と後退していきましたが、『体格改造法』では蹴上げた右脚を左脚にそろえて終わります。その他は、回数を含めて変わりはありませんが、『体格改造法』では、蹴上げる反対の脚を「急激に踏み落として、腹筋を確り緊張させ」ること、蹴上げる脚を「爪先に力を入れて足裏で床を摺るようにスウット上げる」ることの注意が増えて解説が詳しくなっています。また、(備考)の「コーベット外二三体育家の運動法」につきましては、このブログの9月10日、7月8日掲載分に解説がありますのでそちらを参照下さい。

(写真は、「上脚二頭筋鍛錬術」を行う春充)
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