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2019年12月14日06:50

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「強健術」案内101

前回に引き続き春充が「呼吸応用の簡易練修法」の特徴について述べている部分を見ていきます。

○力を入れる時には、息は吐き出します。

○息を吐き出す時には、上体は前にかがめます。

これが、今回の「強健術」の大きな特徴です。型を決めた瞬間は、息を吐き出しますが、その時「上体はかがめ」、体全体は腰から丸くなります。前回に「腹直筋、斜腹筋、横隔膜の緊縮」とありましたが、「緊縮」するのは上体をかがめ丸くするからです。そして、この姿勢が後に春充が「邪道に陥った」とする点です。

○此の場合体の重さは踵に落ちます。

上体を丸くして、縮めますと重心がやや後ろに傾きますので体の重みは踵に落ちます。これも、後に春充は「邪道」であるとします。

○息を吸い込む時には、全身の力を抜きます。

○腰を反り、軟らかに胸を開いて吸い込みます。

○此の場合体の重さは爪先に落ちます。

吐く時と反対に、吸う際は上体を反らしますので自然に重心は前にいき、つま先寄りに体重が落ちます。

○約言いたしますと腰と、腹との中心運動に、呼吸を調節するのです。即ち吸う時が腰、吐く時が腹。

これが、今回見ていく「強健術」の特徴です。吸う時は、腰を反り体重がややつま先に落ちます。吐き出す時は腰を丸くして「腹直筋、斜腹筋、横隔膜」を緊縮させて体を縮めます。

○力の入れ方、息の吐き方は、加速度的に致します。

これについて春充は他の箇所で次のように述べています。

力の入れ方は、『加速度的で、段々に強くいたします。』呼吸はそれに調和しますから、矢張り同じ要領で『段々と太く吐き出します。』(強い身体を造る法 P.38)

○力は垂直に使用します。

これが、「呼吸応用の簡易練修法」の大きな特徴の一つです。簡単に言いますと、重力を利用することです。たとえば、「上腕二頭筋」の型はこれまでは、肘を曲げて力こぶ(上腕二頭筋)を緊張させていましたが、それについて春充は次のように解説します。

けれども、前腕を上げると云うことは、引力に逆らった動作であるから『力の使い方』から見ますと損な遣り方になります。
其れ故、一旦力を抜いて、腕を頭上にあげ、スーッと、垂直に下ろしながら、肘を曲げ、上腕を体側から胸部にあて、前と同じ形を造ります。そうしますと自分の力と、腕の重さと、引力の働きとを最も自然に利用することが出来ます。此処から『力は垂直に使用した方が最も有効である』と云う原則を見出します。即ち力は下へ下へと使います。(強い身体を造る法 P.37~38)

「呼吸応用の簡易練修法」は、これまでの「強健術」と違い足をほぼ固定して行うため、「踏みつけ」や「踏み込み」また回転やジャンプするなどの「利動力」の利用が制限されます。そこで、「重力」を最大限に利用してそれを補うのが「力は垂直に使用」することなのです。

○力は中心にまとめます。

これも「呼吸応用の簡易練修法」の大きな特徴の一つです。このことにつきまして、春充は別の箇所で次のように解説します。

力を中心にまとめるとは『二個の緊張した筋肉の距離を近づけること』であります。水落をくぼめ、胸を前にかがめるのです。(強い身体を造る法 P.40)

「二個の緊張した筋肉の距離を近づける」とは、「中心」(腹直筋、斜腹筋、横隔膜)と鍛える目的の筋肉、たとえば「上腕二頭筋」などを、「力」を込めた瞬間に体をかがめて近づけることです。ですからみぞおちはくぼめ、胸を前にかがめた姿勢となります。今後具体的に「呼吸応用の簡易練修法」を見ていけばほとんどの型が腰を丸くして体をかがめていることがおわかりになると思います。そして、これが後に春充が「邪道に陥った」とする特徴の一つです。

○両足の開き方は、いつも直角。(踵と踵とを着けて立つ場合はありません)(但し敏捷を主とします場合には余り聞きませぬ)

○両眼をパッと無邪気に見開きまして、精神と肉体との連結調和を図ります。(強い身体を造る法 P.30〜32)

以上の特徴は、これまでの「強健術」にもありました「つま先と踵の直角」、「瞳光の不睨」のことです。次回より、具体的な型を見ていきたいと思います。

(写真は、八幡野来宮神社境内)
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