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2019年11月23日07:41

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「強健術」案内79

今回は、「第八練修法 (上脚四頭筋)」の(備考)を見ていきます。

備考 跳躍の際は腹の外(ほか)、何れの筋肉をも、緊張せしむることなく、身体が地に落ちたる時、上体を真直ぐにし、腰を下ろして爪立てば上脚二頭筋は自(おのずか)ら極度の緊張をなすべし。これはヒントをルシファーに得たるものにしてその型はサンドウの上脚四頭筋の運動に、速度と、利動力とを応用したものなり。而(しか)して一面、動作の敏活の目的を達し、又腹部のダブダブしたる者の脂肪分を減じて、筋肉をしまらしむるの効果あり。脂肪過多は、諸種の疾病を招き易く、最近独逸のナアゲル・シュミットは、電気を用いて、脂肪を除く新機械を発明せり。(心身強健術 P.168〜169)

ここで、「上脚二頭筋は自ら極度の緊張をなすべし」とありますが、「上脚四頭筋」の間違いです。また、これまでのこの型は足を地につけたまま行っていましたが、今回『心身強健術』より、「速度」と「利動力」を応用するようになったため、跳躍を伴うように変化しました。さらに、以前の強健術では、”動作の敏活”は、「第四練修法 柱」(腓腸筋)「第五練修法 (蹴)」(上脚二頭筋)の二法だけでしたが、今回は更にこの運動法も動作の敏活を助けるものとなっています。
この運動法は、「ルシファーに得たるもの」と言っていますが、これは「一千斤の鉄棒を自由自在に振り回すという、偉大なる膂力家のルシファーは、その体躯の軽きこと恰も鳥の如くで、一丈の高さに吊るされたる球を、飛鳥の如くに飛び上がって叩き落としたということである」と、『実験 簡易強健術』(P.97)『心身強健術』(P.59)に取り上げられている人物のことです。

備考 跳躍するとき、全身に力を込むれば、姿勢崩れ易く、従って上脚二頭筋(四頭筋の間違)の緊張は完全なることを得ざるべし。然(しか)るに、若(も)し腹筋のみの緊張にとどまらば、極めて暫時の間なりとは云(い)え。仏典中に所謂(いわゆる)『如日虚空住』(日の如く虚空に住す:太陽のように虚空にとどまる)の感あるべく。熟練して此処(ここ)に至らば、啻(ただ)に肉体上の効果を獲得するのみならず。運動そのものに対して、非常に愉快なる趣味を覚ゆることなるべし。(心身強健術 P.169 )(体格改造法 P.204)

ここで、飛び上がった時に「全身に力を込むれば」姿勢が崩れるので、「腹筋のみ緊張」することを注意しています。後に「中心力」に発展する「腹力」で、運動を行うように解説しているという点においてこの文章は重要です。
また、「如日虚空住」は、『妙法蓮華経』の『第25観世音菩薩普門品』(この部分だけ独立して『観音経』としても知られています)に出てくる言葉です。

備考 跳ね上がりたる時、腹筋の外は、全然力を入れず、さながら風船玉の如くなるべし。(心身強健術 P.169)

先ほどに出てきた(備考)の中の注意と同様のことが、繰り返されています。

備考 身体の空間にある時は、両足爪先は垂下すべし。一寸(ちょっと)六(む)づかしい様なれども、これが出来ざれば跳躍の妙は味はれざるべし。(心身強健術 P.170)

爪先に力を入れることなく自然に垂らしておくというこの注意も、「腹筋」(中心)以外に力を入れてはならないということを、繰り返して述べているものと考えられます。

備考 跳躍の機会は、身体を進めて、運動律を生ぜしめ三歩目に腰を下ろすや否や其の反動を利用して跳ね上げれば、最も自然に無理がなく出来るものなり。(心身強健術 P.170)

歩く勢いを治要して跳ね上がるのは、『心身強健術』から登場した『利動力』の応用となります。
次回は、「第九練修法 (上脚二頭筋)」を見ていきます。

(写真は、旧肥田家跡へ至る道沿いにある「高見のシイの木」)
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