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2019年10月19日06:39

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「強健術」案内44

前回見てきました「踏みつけ」の(備考)の中に、「爪先の踏み込み」の記述がありましたが、具体的な方法は記されていませんでした。後に、この技法は前回見てきました「踏みつけ」と共に「気合応用強健術」の基本的な鍛錬法として重要視される技法です。しかし、本文ではこの解説はされず、『心身強健術』の後尾にある「片々」と題された雑文集の中に紹介されています。そこで、春充はこの鍛錬法を次のように紹介しています。
『強健術』運動法は、氣合を根本通則となし。氣合は『腹力』を最大の条件とする。そして『腹力』は、脚の踏み附け方で、充分に練ることが出来るとは屡々(しばしば)述べた所である。故に、私は前きに、基本動作として、脚の踏み附けを説いた。踏み附けをする際に、屡々、爪先で踏み込まなければならぬ場合がある。だから、脚の踏み附けの項を備考で、一寸ことわって置いたのであるが、今、左に、其の遣り方を誌して置こう。(心身強健術 P.335〜336)
ここで、「踏みつけ」をする際に「爪先で踏み込まなければならぬ場合がある」と言っていますが、後に見ていく「第二練修法の乙」を行う際、右足を「踏みつける」前に、一旦爪先で「踏み込み」をする動作などがありますがそれを指します。これは、また「第二練修法の乙」の解説の際に詳しく見ていきたいと思います。それでは、「踏み込み」の具体的方法を見ていきます。
イ、胸部にて軽く両腕を組み。
ロ、両足は爪先にて立つ。
ハ、爪先を垂れたるまま足に力を入れ。
ニ、右ひざを上げて、左足真横に踏み込むべし。
ホ、更に左足をあげて、右足真横に踏み込むべし。
ヘ、脚の働きを敏捷にする基本動作として 、踏み附けと同様、熟練し置かば、凡(すべ)ての運動を行うに甚大の便宜あり。(心身強健術 P.336)
動作を簡単に説明すれば、両腕を組んで右足爪先を左足横に踏み込み、それが終わったら今度は、左足先を右足横に踏み込むという動作を繰り返すことになります。今の段階では、「本運動の前に行う補助動作の訓練」的な位置づけですが、先にも書きましたように、後には「踏みつけ」とあわせて、「強健術」の中で特に「動作の敏活」と「中心力」を形成する「腰の力」を養成する大変重要な技法へと発展していきます。
(写真は、「踏み込み」を行う春充)
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