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2019年09月22日04:24

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「強健術」案内19

前回は、「第五練習法」を見てきました。今回は、「第六練習法」を紹介します。まず、方法は以下の通りです。
実験 簡易強健術 第六練習法
イ、直立不動、無我無心、全身に力を入れず。(運動前の姿勢)
ロ、上半身を其儘(そのまま)真直ぐにして、左足を少し後ろに引き、
ハ、左膝を静かに地に着け(以上準備姿勢)
ニ、右足を、一歩横に踏み出すと同時に、
ホ、右拳を以て、岩をも貫く気力にて前方を突けよ。
ヘ、突きたる時と雖(いえど)も上腕は体を離れざるを程度とし、折りたる下腕と直角となりたるべし。(図参照)
ト、突くと同時に『エイッ』と腹よりの掛け声をなし、
チ、前腕と下腹部のみに力を入れるべし。
リ、拳の握り方は前と同様にて、この時左手は同様に握りたるままに腰に着く。
ヌ、眼の注ぎ方は第三運動に同じくし、
ル、呼吸を計(はか)って徐(おもむろ)に起立すべし。
ヌ、右五回の後、左五回とす。
(備考)
本運動の目的は前腕の緊張と下腹部の緊張にして、掛け声による氣合を重んずるものなれば、この掛け声は最も勇ましく、大声に、腹の底より出づる様心掛くべし、声弱ければ前腕の力も従って弱く、遂に目的物を突き破りたりという豪壮なる確信を得られざるべし。(実験 簡易強健術P.238〜240)
この運動法で鍛える筋肉は、「前腕筋」です。ここで、説明がやや分かりづらい部分として、ホ、とへ、の部分があるかと思います。
ホ、では「前方を突けよ」と言っていますが、へ、では「突きたる時と雖(いえど)も上腕は体を離れざるを程度とし、折りたる下腕と直角」といいこの説明だけではイメージしづらいかと思います。これは、三冊目の『心身強健術』では、「右肘を曲げて、体側にあげ」とあることからも、まっすぐにしていた肘を直角に曲げて「前腕筋」を緊張させる運動法であることがわかります。
そして、右腕を曲げて「前腕筋」を緊張させると同時に、右脚を右方に踏みだしながら、有声の気合いをかけます。また、脚を踏みつけながら気合いをかけるこの方法は、後に「気合い応用強健術」の重要な技法として発展する萌芽とも言える技法で、「第四練習法」で柱に脚を当てる前に、やはり脚を踏みつけたのと同様の技法です。この時、「下腹部の緊張(後の中心)」があるのはすべての練習法と同様なのは言うまでもありません。
(写真は、「第六練習法」を行う春充)
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