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2019年07月20日07:32

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「天真療法」案内148

前回は、春充が晩年に設立した、『宇宙倫理の道』教団という団体の発会式に参加した二名の医師の「天真療法」についての談話を見てきました。ところで、「天真療法」の三つの要素は「安静」、「食養」、「排泄」でした。そして「安静」の中で最も重要な姿勢は、「純自然体休養姿勢」でした。『宇宙倫理の道』教団を設立した頃の春充にとってこの「純自然体休養姿勢」は、大変重要なものとなり肥田式の「奥義」となっています。ただ仰向けに横たわっていて病人にも幼児でも出来るこの姿勢がなぜ「奥義」となるのかについては、刊行予定「聖中心伝―肥田春充の生涯と強健術―」(晩年編)に詳しく解説しておりますのでご覧下さい。
この頃のこの姿勢について春充は、次のような言葉を残しています。
夜寝る時に、この姿勢をとると、瞬間的に、純虚、聖虚、極楽浄土、この身このまま、つるつると融けて行ってしまう感じだ。しかも観念や、空想でなくて、生理的な実感であるから、熟練すれば誰でも与えられる、恩寵である。(機関誌 聖中心道 No.6 P.17)
この、姿勢をとることにより頭脳の中に、様々な思想がわき上がりそれらを記述してできあがった膨大な原稿が『宇宙倫理の書』です。また、晩年の春充はこの姿勢をとるとき、「頭は真北に向けて休むのが理想であるとして、磁石で計って、天井に南北に走る紐をかけ自分の正中線がこの南北の線に合致するようにして寝ていた」(肥田式強健術概論(四)肥田通夫)とのことです。では、なぜ北に頭を向けて寝ていたのでしょうか?興味深いことに春充は、この生理学的な理由が何かを考えるようにと、婿養子の肥田通夫に言い渡したそうです。この難問を通夫は次のように考えました。
私は昼間の農作業の間も考え続けていたが、その理由がなかなかわからなかった。ところが、1週間ほどして、深夜に北極星を仰いでいた時に、ふと天啓の如くに閃いた。
それは春充の旧著の天文学についての記述の中に、この大宇宙の天体はそれぞれ自転しながら、いずれも猛烈な速度でヘルキウルス宮という真北にある星に向かってふっ飛んでいるとあった。私はその時、これだと悟ったのである。わが地球も真北に向かって飛んでいるのだ。そのために、頭を真北にしたほうが安定性があることになる。例えば新幹線などの列車に乗る場合も、走る方向に向かって座っているほうが、後ろを向いて座っている時よりずっと楽だ。それと同様に、地球が北に向かって飛んでいるのに、足の方を北に向けたり、真横になったりしていたては安定しない。私がそのように答えたところ、春充にその通りだと認可された。(肥田式強健術概論(四))
以上ですが、この解答には様々な疑問、問題が散見されますので、次回以降で検討していきたいと思います。
(写真は、春充生家近くの桂川の流れ)
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