mixiユーザー(id:11073381)

2020年01月28日00:19

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Christian Pyttel フレームビルダー

うちから電車で30分の町にクリスチャン・ピッテルの自転車店がある。東独エリートにフレームを供給していたDiamant/Textimaのフレームビルダーだった。彼のフレームで世界チャンピオンやオリンピック表彰台になった選手は多い。日本で知られているところではオラフ・ルードヴィッヒ(パナソニック・チーム)とか。
http://www.classicrendezvous.com/Germany/Pyttel_Christian.htm


彼らが70年代に作ったフレームは相当進歩的で、西側メーカーにも大きな影響を与えた。特にトラックフレームは斬新だった。
https://www.heikosdiamantrad.de/Textima-und-FES.htm
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チューブは大体531で、一部イシワタも使われていたらしい。チューブは楕円や涙滴形にプレス加工され、フィレットロウ付け、特徴的なモノステーはカッコ良い。エンドは独自のプレス品加工、またはカンパ。フォーククラウンに付けられたステムは東独が最初のはず。

ずっと行きたいと思っていたんだが、ようやく行けました。1時間以上話を聞いたりして楽しかったです。ピッテルさんは84年に西側に逃げて以来ラシュタットに住んで自転車店を営んでいるが、既に70歳を超えて落ち着いた暮らしらしい。近所の自転車の修理とかもしてるんだが、自転車を全く大事にしない人が多くて不快だと言ってた。この問題は自転車産業が自分で種を蒔いたとも言える。なにせ修理するなら新しく買った方が安かったりするから、多くの人にとって自転車は使い捨てになってしまった。自転車に対するリスペクトも無いし、自転車修理にも無関心だしお金を出して修理してもらおうという意識が無い。これは自転車産業にとっては自殺行為だと思うんだが、、

西ドイツに住んで35年以上、なのに未だに出身地ザクセンの訛が消えない、というか消す気がないみたいで、工房の奥の部屋はザクセン・サロンと名付けられていた。自転車と関連本が壁一杯に。選手たちがサインしたジャージも一杯。更にディレイラーのコレクションとかも。居心地良いので再び訪れようと思ってます。

ついでに、、東独で70年代にダントツの才能を持っていたライダー、ヴォルフガング・レッチ、、彼はまれに見るタレントとして期待されていたんだが、東独のシステムを嫌ったのか、党員になる事を要求されたのを断ってからはエリートから外され、更には国家反逆という名目で8ヶ月牢屋にぶち込まれた。ここで彼のプロライダーとしての道は閉ざされてしまったが、その後はアマチュアレースで活躍した。彼の才能を惜しむ声は今でも大きい。
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