不様な奴らの汗とか涙とか

僕は綺麗な落語が出来ません。
それは噺家としての弱点であると重々自覚はしておりますが…それならいっそ、綺麗でない落語をきっちり演じたいと思います。
虚栄や体裁を剥ぎ取られて剥き出しになっていく人物を、剥き出しに演じられれば嬉しいです。
「真田小僧」のお父っつぁんや「崇徳院」の熊五郎がボロボロになっていく様を、自分自身もボロボロになって演じたいと思います。
汗だくで、着物も着崩れ、大声張り上げて…その高座姿はとっても不様かも知れませんが、剥き出しになって不様に生きる彼ら登場人物達の気持ちに近づく為に、綺麗なやり方が出来ない以上、僕にはこのやり方しか無いような気がします。
テクニックが無い分、彼らの汗とか涙をせめて本物にしてやりたいと、切にそう思います。

『米紫の会』にご来場くださった全てのお客様に、厚く御礼申し上げます。

『米紫の会』、次回は4月30日(火･祝)、平成最後の日に開催です！