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2020年06月03日18:31

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TVドラマ「パパがも一度恋をした」

土曜深夜に放送されてた「パパ恋」https://www.tokai-tv.com/papakoi/
本放送を偶然見てはまってしまったので、FDD配信でも一度見直しました。
最近見た映像作品の中で、一番泣けました。コミカルな笑いの中にも、涙を誘われる良質な大人のドラマでした。
どんな仲睦まじい夫婦であっても、必ずやってくる死別の日。私なら、孤独に耐えられず後追いしたいような鬱気分になりそうで、他人事と思えず、存外に感情移入してしまったのかもしれません。
映画「鎌倉ものがたり」の感想で、『「千の風になって」「いつも何度でも」「世界の約束」を聴く度、人は半世紀を共に生きた伴侶との死をどう受容していくのか、想像しただけで切なくなる』と書きましたが、このドラマは本当に自分が恐れている未来図を追体験させてくれました。ファンタジーだけれど、死は存在の消滅ではなく、いつもその人の心に生きて自分を見守り、誰よりもその幸せを願っているのでしょう。天国で再会する日まで吾郎のようにきっと乗り越えて生きて行ける自信が持てました。
原作のコミックも読んでみようと思います。
ぱぱ

以下あらすじ
永遠の愛を誓い合った最愛の妻が思いがけず、突然逝ってしまった・・・
吾郎は、心優しく美しい妻・多恵子を亡くし3年の間立ち直れないまま部屋に引き籠っていた。一人娘高校生のトモは、そんな父を心配し、健気に家庭をきりもりしていた。
やがて吾郎は自分のふがいさなさに絶望し、自殺を図ったが、間一髪、全裸の中年太りの男(おっさん)が吾郎を身を挺して助けた。
おっさん臭半端ないその男は、実は多恵子だった。天国で悲しみにくれる吾郎を見かねた多恵子が神様に懇願し、神様が川上というやくざの抗争で死を目前にした男の体に多恵子の魂を乗り移らせたのだ。
こんなおっさんが多恵子なわけはないと、最初は信じようとしなかった吾郎だが、醜い容姿の中年男の言動にかつての高潔な妻の魂を感じるようになる。ついに吾郎は愛してやまない多恵子が生き返った奇跡を受け入れた。
その後は吾郎の努力あって、多恵子の両親、トモ、親友。多恵子にとってかけがえない者たちが彼女がおっさんの中にいると信じてくれた。彼らも多恵子も生前に伝えられず後悔していた相手への思いを、互いに伝え合うのだった。
しかし、それは神様がくれた仮初の時間。49日目、多恵子は神様との約束に従い、その肉体を川上本人に返し天国へ帰らねばならない。更にこの世の理として、その49日間の記憶は消されると知った吾郎は激しく悲嘆にくれる。だが、おっさんの姿になってまで生き返って、彼を立ち直らせようとした多恵子の愛に応え、父としてトモを守り、残りの人生を多恵子に恥ずかしくない生き方をしようと決意する。
別れ際、吾郎はたくさんの「ありがとう」を多恵子に伝え、多恵子は記憶消去の言葉を最後に唱え、昇天する。その言葉は「五郎さん、愛しています」だった。
後日、多恵子の墓参りする吾郎。「遠距離恋愛みたいなもんだ。」と50年後の再会を誓う。期せずして街で川上とすれ違った吾郎はその強烈なおっさん臭を嗅ぎ、消された記憶を取り戻した。
おっさん姿の妻と過ごした世にも奇妙な愛の記憶。愛はこの世の理を超越するのだ。

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〇1話 純愛
最初みた時は、コメディだなって思えてさんざん笑いましたが、最終回見てから、1話見たら、多恵子の心意気に泣けました。そして最初この話見た時は、しょうもないダメ男に見えた吾郎。それが最終回まで見たあと見返すと、本当は男らしい頼もしい男性だって、わかってるので、これだけ強靭な男が生きて行けないと思うほど、本当に奥さんを愛してたんだなって、胸キュンなのよ~。2度見の価値ありました。

〇2話 肉体と魂
最初はおっさん同志のラブコメかと思いましたよ。愛する妻が男、それも不細工なおっさんになった姿に性愛を感じるかという難題。爆笑展開でした。でも、長きにわたって共に家庭を築いてきた夫婦は、相手の人格を信頼し、敬愛で結ばれているのでしょう。その愛は表面的外見の魅力ではない本来の「愛」そのものに醸成されてるんですよね。

〇3話 両親
多恵子の両親になんとか多恵子の蘇りを信じてもらいたい吾郎。母親は第6感のような感覚で死んだ娘だと気づくのだが、現実主義者の父親はどうしようもないっていうか、信じない方がリアリティありますもん。。
ところが多恵子も父親も、お互い謝りたいと思っていた共通の記憶があり、ついに娘と父は和解できたというエピソードもうるうる来ました。

〇4話 一人娘
4話、なんで親戚の子どもが居候するエピソード?って思ったら、たとえ離れいても仕事人間でも、親子はつながっている、そのことをトモが気づくのに必要な回だったんですね。
この作品は、トモという父子家庭の少女の語りで描かれています。トモは、父に新しいおっさん妻が出来て、後妻と同居している、という理解に落ち着きたいわけなんです。どうしても変なおっさんが、記憶にあるあの優しい美しいお母さんと同一人物と思いたくないんだよね。でもずっと側にいてお料理を教えあげたかったという、亡き母にしか持ちえない深い愛を前に、信じざるえなかったという。うーん、これも泣けたです;

〇5話 多恵子のそっくりさん
このエピソード見た時、ドラマ構成 巧い!!って思いました。外見多恵子(役者さん同じだから)が吾郎の前に現れ、五郎を愛していると告白するすごいシチュ!!
世の男性ならそりゃあそうだろう、吾郎は美女に心奪われます。
そしたら「吾郎はこの試練を乗り越えなきゃ」って、周囲の冷静な目がまるで視聴者のようで、そりゃそうだ。  
おっさん多恵子は、(自分がやがて消えるとわかってるのもあったのね)、吾郎が他の女性と再婚するならそれを受容しようと、相手の幸せのために身を引こうとします。吾郎は多恵子の愛のありように気づき、やはり自分が愛しているのは外見ではなく、多恵子の人格「魂」なのだと。その心の動きに納得させられるドラマになってました。

〇6話 親友
多恵子は生前の一番の親友と再会します。親友もおっさんが多恵子だと気づきます。
多恵子の人柄がよくわかるエピソード。
多恵子は親友の本心を見抜き、彼女を心から愛する青年と愛を成就させます。一見かつり合いが取れてないカップルでも、愛は表面的かっこ良さではないんだよね。

〇7話 イトコとオタク
6話の延長上にあるような異色カップル、従兄ニューハーフっぽいトカレフとイモダサイ地味な女の子との恋。
多恵子との別れの日が迫ってることを知り荒れる吾朗ですが、同じように多恵子の別れの日が近いから、幸せな姿を多恵子に見せたいと焦っているトカレフ。
ここでの吾郎の気づきは、多恵子に安心して元の世界に戻ってあげさせること。愛とは相手の健やかな生存を願うこと。いや、健やかな死後を願うことなんだよね。自分が幸せに生きることが、彼女の天国での幸せなんです。

〇最終話 肉体返却
「鎌倉ものがたり」で肉体借りた人、その後どうなったんだろう?って気になりましたが、この話、やくざ川上、まさか死んで終わり??とか気になってました。そしたらこの男にも最後の最後に人情話があって、良かったです。
川上は、やくざのシノギを被害者に返そうと持ち逃げしたので、組に追われていたのでした。川上が男手一つで育てた娘は、やくざの父を嫌い断絶してたのですが、吾郎と多恵子の計らいで、親子は和解します。良かったね。川上。

それぞれのエピソードに必然性があって、無駄のないドラマ構成だったと思います。


〇一夫一婦
命ある限り、生涯の愛を貫くどころか、死が二人を隔てても愛を貫くというこの物語。仮面夫婦とか浮気とか不倫とか、そっちが主流に思える文芸作品が目につく中、こういうドラマが希少に思えて心を打ちました
仕事もできない男とよく云いますが、仕事を優先したがために最愛の妻を死なせてしまった吾郎。本当は仕事より家族が大事だったんだよね。、
このドラマを見て、つくづく家庭の基本は、夫婦なんだと思います。夫婦はどんなに仕事に夢中になっててもそれは家族のためであり、仕事は手段なんだよね。
そして夫婦はある意味子ども以上に、伴侶を一番に愛していて、それだからその証に生まれた子どもは健やかに育つんだとわかります。家庭において子どもはやがて巣立っていき、夫婦は二人に戻り、子どもは自分の家庭を築く日が来るのでしょう。その時、パートナー以上に親に頼ったりしない、自立した子になる方がその子の家庭はうまく行くんだよね。
世間に散見される母親が夫より子どもを愛していると、母子の結びつきが強すぎて、子どもが自分の家庭を築くのに結婚相手より親に依存したり、母は夫を信頼できず子どもに精神的依存する共依存になってしまうケース。嫁姑問題の根っこは、嫁の夫の両親(ジジババ)が夫婦としての結びつきがないことにある気がします。
子どもが経済的に自立した時、自然界で言えば自力で食料を得られるようになった時、子どもは新しい群れを作るために親から離れていくわけで、その後、親は子どもが躓いた時に支える保険なのです。
二人に戻った夫婦で幸せを求め、自己実現していくことが子育て後には肝要だなって気づかされるドラマでした。

〇主婦は偉大
自分は家事育児が超苦手で、外で職業人として自己実現したかった私は、ずっと主婦業に劣等感抱いてたんですが、今回このドラマで多恵子さんのような素晴らしい家庭婦人に憧れてしまいました。こんな理解ある母でないし、優しい妻でもないけど、(ブスだしデブだけど^^;)、でも主婦ってすごいよね。歴史に名が残るわけでも、叙勲に与かるわけでもない裏方だけど。
それに触発されて、コロナで家族で3食食べる日が増えたので、お料理頑張ってます。新婚の頃は玉子焼き一つ焼けなかった私ですが、もう25年のベテラン主婦だもんね。
今まで難病の子のために私の人生はあると思ってたのですが、その子がやっと大学卒業して就職して、私の援助を拒むようになりました。そっか。しょうがないよね。子育てに生きた私の半生はなんだったんだろう?とちょっと凹みかけてたタイミングでこのドラマ見て、旦那様に喜んでもらえる料理作ろうって思えて、それが自己実現なんだよね。

と、長々と書いちまったよ。誰も読まねーよーー;、で、どんどはれねーよーー;、
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