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2020年03月07日21:18

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第1回透明駒解答選手権の結果と解答・解説

 まず最初に、解答成績一覧を載せておこう。

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 ご覧の通り、第1回透明駒解答王は茶園氏に決定した。作者としては、5番、6番、10番をクリアできるかどうかの勝負になるだろうと思っていたので、このうち6番と10番を見事正解した茶園氏の優勝は順当なところだと思う。次点は、5番の正解を入れたまゆしぃ氏。5番と6番は、いずれも正解者が1人のみだった。
 初めての催しなのでどうなることかと不安だったが、12名の方から解答が集まり、出だしとしてはまあまあか。成績はともかく、解答参加してくれた全ての方に感謝申し上げたい。
 尚、たくぼん氏は本来2位の得点なのだが、1時間半での解答ということで、参考記録扱いとさせて頂いた。ご了承願いたい。(2時間程度かけたというシナトラ君も、同じく参考記録としました)

 作品の難易度については、完全に読み間違えたようだ。フェアリールールはポピュラーなものばかりだし、その中でもキルケ2題は特に簡単。手数にしても、3手詰が7割を占め、最長でも4手詰。5手詰すらないのだ。正直言ってこのレベルでは、解答強豪の人たちは30分とたたないうちに全部解けてしまい、時間勝負になってしまうのではと危惧していたのだが…。今にして思えば、せめて解答時間を1時間半にすべきだったか。

 実は余詰が1作出たのだが(4番)解答競争にはほぼ影響はなく、その他の作は大丈夫だったようだ。私自身の検討力はほぼ0に近く、今回の創作でもファーストトライで完全だったのは7作のみ。もし独力で開催していたら、どうなっていたことやら。豪腕検討者2名(吉岡、堀内の両氏)に、改めて感謝したい。

 では、作品の解答・解説に移ろう。

1(5点)
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ばか詰 1手(透明駒1+0)

23馬迄1手詰。

 局面の合法性を考慮すると、直前の玉方の着手がある為には22に攻方の歩又は香がいなければならない。従って、11馬、22馬或いは22金はillegalであり、11金は同玉と取られてしまう。
 軽いレトロで幕開けの心算だったが、作者が私で設定が1手詰にもかかわらず、レトロが頭に浮かばなかった人がちらほら。修行が足りませんぞ(笑)。


2(7点)
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ばか詰 3手(透明駒1+1)

X、43飛、22と迄3手詰。

 初手透明角(馬)の王手に対し飛合をさせてから22ととすれば、これが合法な着手であることから23に玉方透明駒があることが示される。この透明駒が真後ろに利きを持つ可能性はないので、これで詰んでいる。
 一見非合法な手を指すことにより透明駒の位置や種類を証明するというのも、透明駒における基本手筋の一つである。


3(10点)
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ばか詰 3手(透明駒1+2)

99馬、21玉、11馬迄3手詰。

 初手99馬が主眼手。最終手を取れる玉方角が11-99を結ぶ線上に存在しないことを示す、所謂line clearanceの1手である。今回最も多くの正解を集めたが、この筋がそれだけ人気のある証左であろう。
 玉方22歩を追加して5手詰にするかどうかかなり迷ったが(その場合は透明駒2+3となる)、検討者のアドバイスに従い今回は序を削ることにした。


4(8点)
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安南ばか詰 3手(透明駒2+0)

93歩成、95玉、94と迄3手詰。

 初手が非常に情報量の多い手で、56に透明飛(龍)が、そして58に透明角(馬)がいることが、この1手だけで判明する。
 これが本来の作意だったのだが、解答者は全員X、95桂、97歩という余詰順を答えてきた。言われてみれば非常に自然な手順で、何故これに気付かなかったのか…。57歩→桂で修正できているかな?

 尚、作意に加えてこの順も解答してきた人がいたらボーナスポイントを10点あげようかと思ったが、双方解は一人もいなかった。出題時に余計なことを書くんじゃなかったなあ。


5(12点)
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安南ばか詰 3手(透明駒0+3)

15香、同X、13金迄3手詰。

 2手目に香を取った駒は何であれ先手玉に王手をかけている筈だが、それでも先手は平然と13金を打つ。これが合法な手であることから、15にいる透明駒は歩であり、2筋にも玉方の歩があることが分かる。更にこの歩は、3筋より左の方から飛または角の利きによって飛んできたのだから、玉方の透明駒は飛(龍)又は角(馬)、そして歩2枚だったことになり、透明飛(角)がどこに配置されていたとしても、これらにより13金を取られることはない(これが24金だと、同飛と取られてしまう)。「利き二歩無効」を最大限に利用した作。


6(13点)
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安南ばか詰 3手(透明駒1+0)

68角、55玉、67銀迄3手詰。

 わざわざ玉を飛の利きにしておいて67銀と打つのが見えにくい1手。66に透明駒がいることを主張している訳である。打った銀は角の利きになり、また66にある透明駒は銀の利きになっているので、これで玉は確かに捕まっている。一遍に2枚駒を打っているような奇妙な感触が面白いと思っているのだが、如何だろうか。
 尚、57銀、47玉、37角迄の誤答が散見されたが、これは4手目38玉で逃れる。

 ちなみに、これを作る際に念頭にあったのは以下の図。

(参考図1)金子清志
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安南ばか詰 5手(詰パラ 平成元年3月号)
*余詰あり

33桂生、76玉、75金、同飛、88桂迄5手詰。

 玉を歩や桂に乗せて動きを弱めるのが安南のセオリーだが、本作ではわざわざ玉を飛にしておいて仕留める。まさしく逆転の発想だ。
「透明駒+安南」で何をしようかと思ったときに、ふと思い浮かんだのがこの作。リアルタイムで解いて、強く印象に残っていたからだろう。


7(5点/5点)
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キルケばか詰 3手(透明駒1+0)
b) 透明駒1+1

a) X、87香生、X(=98飛)迄3手詰。
b) X、88香生、X(=98香)迄3手詰。

 a)では、初手に動いた透明駒が香により87で取られたことが明らか。従って、3手目の着手は復活した駒で王手をかけたことになり、そのような動きが可能なのは飛しかない。b)では3手目に動いたのは99香ということになる(即ち、98にある玉方透明駒を取ったのだ)。どちらもキルケ特有のfairymateになっている。
 何故かb)が盲点になったようで、1時間枠で挑戦した解答者は全員a)のみの解答だった。


8(5点/5点)
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キルケばか詰 3手(透明駒1+0)
b) 持駒香→角

a) 89香、92香(+88角)、55角迄3手詰。
b) 19角、93香(+28飛)、88飛迄3手詰。

 a)で初手89香に対して92香が受けになるということは、これが透明角を取る手だったことを意味する。b)の93香も同様。キルケだと、玉方もバッテリーを組む手伝いをしてくれるという訳。
 ちなみに、同様の先行作として以下の作がある。これほど都合の良いバッテリー形成を、あの一族が見落とす筈がないもんね。ただ、最短手数で表現でき、配置も軽くなった本作には、それなりに存在価値があると思っている。

(参考図2)神無太郎+神無次郎
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キルケばか詰 5手 (詰パラ 平成6年12月号)
b)91玉→81

(解答略)


9(5点/5点)
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ばか自殺詰 4手(透明駒0+1)
b) 28馬→龍

a) 46馬、X、28馬(X=27玉)、同桂成迄4手詰。
b) 58龍、X、28龍(X=37玉)、同桂成迄4手詰。

 a)では46馬-28馬と往復すると、初形で後手玉は36にいたことが示される。b)の58龍-28龍も同様で。この場合は後手玉が47にいたことになる。馬/龍のかわいいスイッチバック。
 これも意外と誤解者が多かった。例えばa)で39馬、X、28馬、同桂成だと57に後手玉がいたかもしれないし、b)で39龍、X、28龍、同桂成だと、後手玉が59にいた可能性がある。


10(15点)
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ばか自殺詰 4手(透明駒2+1)

X、34香、X、26角迄4手詰。

 このような順序で合駒が出るには、後手玉が16にいる必要がある(例えば43角、34香、36飛、26角と指したのである)。ちなみに17歩は、後手玉が35にいる可能性を消す為の配置。左真樹氏のばか自殺詰(6手詰)を知らないと、詰め上がりの想定はかなり難しいと思う。
 尚、
・27玉、46飛打、X、28飛成迄。或いは
・X、56飛、X、38飛成迄。
という誤解があったが、それぞれ3手目37角/47角の可能性があり詰んでいない。

(参考図3)左 真樹
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ばか自殺詰 6手(詰パラ 昭和55年6月号)

 本作の解答は敢えて伏せておくので、未見の人は是非解いてみて欲しい。ばか自殺詰における古典的な傑作である。


 尚、第2回をやるかどうかは未定。私の代わりに誰かやってくれたら嬉しいのだが。
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