(17)Michel Caillaud(Europe Echecs 286 10/1982, 3rd Prize)
#1(13+11)
なくなった駒は白がBPPの3枚で、黒はQRBPPの5枚。また、黒側の駒取りはまずgxf6が明らか。すると黒Pf2は、h筋のものが2枚駒取りをしたことになり、黒の駒取りはこれで尽きている。一方白は、e,f,g筋の白Pが合わせて3枚駒取りをしている。
ここで、黒側の駒取りを注意深く調べると、重要な事実が分かる。つまり、白Pは直進途中で黒Pに取られることはないので、2枚とも成っているのだ。白の駒取りはあと2枚だけだから、これよりc筋の白Pが2枚駒取りをしてa8で成り、その後a筋の白Pも直進して成ったことが判明した。また、白は直進途中のc筋の黒Pを取れないので、これもまた直進して成っている筈だ。以上より、逆算のアウトラインが見えてみた。
続いて、右側の配置のほぐし方を考えてみよう。これにはgxf6と戻して黒Kを解放するしかなく、その為には白が黒Bをuncaptureしなくてはならない。これと先ほどの駒取りに関する分析を重ねると、逆算は以下のようなものに違いない。
(1)2枚の白Sをいずれもa8でunpromotionする
(2)黒Sをc1でunpromotionする
(3)白Pがa筋で黒Pを、b筋で黒Bをuncaptureする
(4)黒Bをf8に戻し、gxf6と戻す
黒Ra8が左上隅で取られてはいないことと、黒枡Bをuncaptureすることから、上の逆算を行った場合に到達する局面は、例えば次のようなものでなければならない。(黒Pc4はc6の可能性もある)
(図1)
*PcxBb4と戻した局面
ここから、Bd6-b4 Pc2-c3 Bf4-d6 Pa3-a4 Bh6-f4 Pa2-a3 Bf8-h6 Ph6-h7 PgxBf6と戻すと以下の局面になり、以下の逆算は容易である。
(図2)
では最後に、図1から出題図に至る手順を考えてみよう。a筋の白Pがa8で成るには4手、c筋の白Pが成るには5手かかる。その後、2枚の白Sはいずれも奇数手動いているから(これは枡目の色から分かる)、白の着手の総数は奇数手である。一方、黒Pがc1で成る為には3手かかり、更にこの黒Sは偶数手動いている。これに黒Kの1手も加えると、黒の着手の総数は偶数手である(この結論は、図1において黒Pc6の場合も変わらない)。
ということは、出題図は黒番であり、1...fxg5#迄の1手詰というのが作意となる。
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(18)Michel Caillaud(Europe Echecs 292 04/1983, 2nd HM)
dedicated to Dr. L.Ceriani
黒Qはどこで取られたか?(14+12)
問題設定と献辞から、答自体はすぐに分かりますが…。
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