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2019年12月18日21:51

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M.Caillaudレトロプロブレム傑作選(16)

(15)Michel Caillaud(Europe Echecs 261/262 09/1980, 1-2 Prize e.a.)
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どちらの手番か?(14+11)

 なくなった駒は白がQSの2枚で、黒はSSPPPの5枚。白側はb,e,f,gの各筋でPによる駒取りをしている。すると白Pc4は駒取りできないので、黒Pc2は1枚駒取りしていることが分かる。更にg筋でも1枚Pによる駒取りがあるので、これで黒側の駒取りは尽きている。白によるあと1枚の駒取りが、直進途中のc筋の黒Pであることもすぐに分かる。これで双方とも、駒取りは全て判明した。
 a筋の黒Pは直進して成っているので、これを戻さないとPa3xb4とはできない。従って、最初に戻すべき駒取りはPh7xg6だ。ここで白Sを戻して、右下の膠着状態をほぐす手がかりを見つけようとすると、自然と次のような逆算が見えてくる。

Retract:1.Sa2-c1 Ph7xSg6 2.Se5-g6 Bc1-d2 3.Sd7-e5 Bd2-c1 4.Sc5-d7
Bc1-d2 5.Sb7xPc5 Bd2-c1 6.Sd6-b7 Bc1-d2 7.Sb5-d6 Bd2-c1 8.Sa3-b5
Kh2-h1 9.Sb1-a3 Kh3-h2 10.Kg1-f1 Bc1-d2 11.Sd2-b1 Pc6-c5
12.Sf1-d2 Bd2-c1 13.Sh2-f1 Bc1-d2 14.Rf1-e1 Pc7-c6

(図1)
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 次の白の逆算手はもうお分かりだろう。そう、castlingだ!これでもう、本質的な部分は終わっているのだが、右下をほぐすにはまだ若干の紛れがあるので、それにも触れておくことにする。図1以降の逆算手順は以下のようにすれば良い。

15.0-0! Qg2-f3 16.Rf3-e3 Be3-c1 17.Sc1-a2 Bd4-e3 18.Re3-f3 Bg7-d4
19.Pf3-f4 Rf4-g4...

(図2)
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 ここからPg4-g5と戻せば、白Bと黒Kが自由になり、右下をほぐすことができる。そして黒Rf4をa筋でunpromotionすればよい。その後の手順は容易だろう。
 紛れと言ったのは、慌てて18.Pe3-e4?と先にe筋の白Pを下げる順で、これだと左下はほぐすことができるが、白Bh4を戻さないとPd2xe3とはできないので逆算が行き詰まってしまう。念のため。

 結論としては、白から戻して旨くいったので出題図は黒番ということになる。

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(16)Michel Caillaud(Europe Echecs 283 07/1982)
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可能なキャスリングは最大でいくつか。

まずは、4つとも可能だと仮定して考えてみましょう。

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