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2019年12月11日21:55

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M.Caillaudレトロプロブレム傑作選(15)

(14)Michel Caillaud(Die Schwalbe 79 02/1983, 6th Com)
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双方とも0-0は可能。このとき黒の0-0-0は合法か?(11+13)

 黒の0-0-0が可能であると仮定して、議論を進めよう。なくなった駒は白がQRBSSの5枚で、黒はBa7が成駒であることを考慮すると、実際に取られたのはQBSということになる。白側の駒取りはb3,e3,f8で起きていて、黒はb筋とe6でそれぞれ1枚、それにh筋の黒Pが3枚駒取りをしている(黒Pはg1で成ったのだが、このとき白Pg3となっていると出てこられない)。従って、これで双方とも駒取りは尽きている。

 黒の成Bが白陣の外に出てからPg2-g3とし、続いて白Bf1をd1へ連れて行き、Pd2-d3として漸く左下のRとBが出られるのだから、黒Pが成る迄に取った白駒はQSSの3枚。すると、黒はb筋とe6で白のRとBを取ったことになるが、e6は白枡だからBは取れない。よって白Bが取られた枡はb6である。もしこの駒取りの前にb7-b5と指されていると黒Bはa7に入れないので、黒はPaxBb6-b5としてBをa7に入れ、それからb7-b6と指したことになる。黒Qが外に出られるのはこの後だから、白がb3で取った駒は黒Sに確定する。

 整理すると、出題図に至る手順は
(1)白Rb1/黒Sa1の形でPc2xSb3
(2)黒Pが白のQSSを取ってg1で成る
(3)Pg2-g3としてBf1をd1へ
(4)Pd3として白Bc1を出す
という順序になる。では、この手順が成立するような局面を実際に構成してみよう。それは例えば、次図のようなものである筈だ。

(図1)
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 この配置から、cxb3 h6 Qc2 h5 Qd3 h4 Qg3 hxg3 Sef3 gxh2 Sg1 hxg1=B h4 Bh2 h5 Be5 g3...と進めば一見いかにもピッタリのように見えるが、実はこれではダメなのだ。どこかオカシイのか分かりますか?
 よくこの局面を見て頂きたい。先手はSを奇数手、Rも奇数手、そしてPh3の1手を加えると、全部で奇数手指している。一方黒は、Sを偶数手動かしている。つまり、この局面は後手番なのだ!黒はSb3を動かすしかなく、白も又Sを動かすしかないが、再度のSb3を取っても、先ほどのように旨くいかないのは明らか。以上より、黒の0-0-0はillegalであることが示された。
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(15)Michel Caillaud(Europe Echecs 261/262 09/1980, 1-2 Prize e.a.)
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どちらの手番か?(14+11)

まずは、最後に起こった駒取りの場所を発見して下さい。
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