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2019年11月27日22:00

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M.Caillaudレトロプロブレム傑作選(13)

(12)Michel Caillaud(Europe Echecs 265 01/1981, 1-2 Prize)
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#1 (14+10)

 なくなった駒は白がQPの2枚で、黒はBSPPPPの6枚。c8とd3で白の駒取りがあったことは明らかだが、それ以外は現時点では不明。唯一、e筋とh筋でどちらかのPによる駒取りがあったことが分かるくらいである。では、丁寧に局面を解析していこう。

 まず、g-h筋のP配置に着目すると、これは
’Pはいずれも直進。g筋の黒Pはh4で駒取りし、h筋の黒Pは直進途中で取られた
白Pはいずれも直進。g筋の黒Pはh4で駒取りし、h筋の黒Pは一枚駒取りして成った
GPはcross captureした。g筋の黒Pは直進して成り、h筋の黒Pもh4迄直進した

の3パターンが考えられる。ここで「いずれの場合でも、駒取りが2度起こっている」という事実に気付くことが重要である。全く同様の議論がe-f筋においても可能なので、結局盤面の右半分においては(どちらが何枚かは分からないが)4枚駒取りがあったことが判明した。

 次に、盤面の左半分に目を転じよう。c8とd3で白による駒取りがあったことは既に述べたが、他にも駒取りの痕跡を見つけることができる。まず、a筋で駒取りが一度も起こらないまま双方のPが消えることはあり得ないので、ここでも最低1枚駒取りがあったことが分かる。次に注目すべきはc筋の黒Pだ。もしこれが成っているのであればb1かd1で一枚駒取りをしていることになるし、直進途中で取られたとしても、或いは一枚白駒を取ってd筋に移り、それからd3で取られたのだとしても、やはり8枚目の駒取りはこの黒Pが関与したものになる。具体的にどのような駒取りがあったかは依然として定かではないが、駒取りがここに出てきたもので尽きていることは分かった。

 ここから、例えば Sf1-h2 Ph2-h1=Q+...或いは Sc3xRd1 Rf1-d1...のような逆算がいずれも不可能であることが分かる(詳細は各自ご確認下さい)。厄介なのは、Pc2xd3としてからPe2xd3xe4と逆算するケースだが、この場合は白Pf5が直進していることになる為、f筋の黒Pが取られたとしても、或いは成ったとしても、駒取りが1枚多くなってしまい、やはりillegalである。

 ここ迄に出てきた逆算がいずれも不可能なのだから、残る可能性は「遮蔽駒としてf1に黒Qを挟む」しかなく、その為にはg2も塞ぐ必要がある。ここからすぐに思いつく順は、例えば以下のようなものである。

Retract:1...Sf6-h7 2.Sc3-d1 Sd5-f6 3.Sb5-c3 Sb4-d5 4.Sd6-b5 Sc2-b4 5.Sc8-d6 Se1-c2 6.Pc7-c8=S Sg2-e1 7.Pb6xQc7 Qc2-c7 8.Pb5-b6 Qd1-c2 9.Pb4-b5 Qf1-d1 10.Re1-e2 ???

(図1)
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 しかし、この瞬間黒に戻し手がないので、これは失敗である(実はそもそもこの手順も、Pb6xQc7が先に述べた駒取りの条件を満たしていないのだが)。この図を見て「ここで黒Pa6があればなあ」と思うと、黒Sをa筋でunpromotionしようとするのは自然な成り行きである。更に、Qをc筋でuncaptureするのもダメとなると、以下の逆算が必然ということになる。

Retract:1-5.Sd6-c8-d6-b5-c3-d1 Sa1-c2-b4-d5-f6-h7 6.Sc8-d6 Pa2-a1=S
7.Sd6-c8 Pa3-a2 8.Sc8-d6 Pa4-a3 9.Pc7-c8=S Pa5-a4 10.Pb6xPc7 Pa6-a5
11.Pa5xQb6 Qb3-b6 12.Pa4-a5 Qd1-b3

(図2)
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 さて、ここが問題の局面である。白にはまだPg5-g6の待ち手は残されているものの、a筋の白Pはもうこれ以上戻せないので、次はd3でuncaptureしなくてはならない。しかし、ここで黒Sを戻しても、Pc2xSd3 Se1-d3 Pg5-g6 Sg2-e1と進んで、白は手詰まりになってしまう。一体どういう解決策があるのだろうか?

13.Pc2xPd3! Pd4-d3 14.Pg5-g6 Pe5xSd4! 15.Sb3-d4 Qe1-d1 16.Sc5-b3
Qd1-e1 17.Sd3-c5 Pe6-e5 18.Se1-d3 Pe7-e6 19.Sg2-e1 Qf1-d1
20.Re1-e2 Pa7-a6 21.Re2-f2...

(図3)
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 慌てて黒Sを戻すのではなく、黒Pを戻して更に白Sをuncaptureして貰い、これをg2に挟むというのが作者の仕掛けたトリックだったのだ!結局、出題図は後手番ということになるので、作意は1...Sg5# (1.Re1#?? but illegal!)ということになる。

 一本筋の通った難解作という感じで、当時どれくらいの解答者が正解を入れたか気になるところだ。

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(13)Michel Caillaud(Die Schwalbe 67 02/1981, 4th Prize)
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最後にPが動いてから、最低何手指しているか? (14+12)

楽しい入れ替えパズルです。50手ルールに注意。(尚、50手ルールとは「50.0手の間、Pの着手も駒取りもない場合は引き分けとする」というチェスのルールです)

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