(10)Jacques Rotenberg, Michel Caillaud
(Europe Echecs 259 07/1980)
#3 (12+10)
この局面がmutually exclusive castlingの状態であること、即ち一方しかキャスリングできないことを、背理法を用いて示そう。
双方ともキャスリング可能であると仮定する。なくなった駒は白がBPPPの4枚で、黒はBg8が成駒であることを考慮するとQBBSPPの6枚。では、この成Bはどこで発生したのだろうか?
もし黒Pf7がb1(d1)で成ったのだとすると、これは白駒を4枚取っている。しかしa筋の白Pは成れないので、黒Pに取られることはない。よって、Pc4はa2から来たものである。するとこの白Pは2枚駒取りをしているが、取った駒の中には黒Pの成駒が含まれている。だが黒側の駒取りは尽きているので、g筋の黒Pが直進して成る他ない。そうすると白はf3,g3でcross captureしていることになるが、Bc8,Qd8と合わせると白の駒取りも6枚となる。この取られた黒駒の中にはh筋の黒Pも含まれる筈だが、それは不可能。以上より、黒Pはb1(d1)では成っていないことが分かった。
では、黒Pはf1で成ったのだろうか?もしそうなら、黒Pはg2とf1で駒取りをしている筈だ。これはいずれも白桝なので、白は2枚も成駒を作らなくてはならない。しかし、白Pが取れる黒駒は4枚しかないので、これも不可能。以上より、白黒双方ともキャスリング可能であることは有り得ないことが示された。
そうと分かれば、あとは簡単。作意は
1.0-0!
1...dxe6 2.Qxh8 --- 3.Qxg8#
1...d6 2.Bxc6+ bxc6 3.Qxe7#
となる。
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(11)Michel Caillaud(Europe Echecs 261/262 09/1980, 2nd Prize)
H#1 (14+15)
白の最終手は何だったのでしょう?
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