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2019年10月02日22:31

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M.Caillaudレトロプロブレム傑作選(05)

(4)Michel Caillaud (Die Schwalbe 67, 02/1981, 4th HM)
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#2 (13+12)
b)Sb4→c6

 前作もそうだったが、これもまた「いかにして黒Kを侵入させるか」というのが創作上のメインモチーフとなっている。しかしこちらは、それに「白のcastlingの可否」を絡めて、より重層的な表現になっているように思える。では早速、局面を分析していこう。以下では、「白はcastling可能である」と仮定して話を進めていくことにする。

 白のなくなった駒はSPPの3枚で、黒はBBSSの4枚。また駒取りは、e筋とg筋の黒Pによる2枚が見えている。(3)と同様、右下の配置を作るにはg1に何か遮蔽駒を入れる必要があるが、一寸考えてみればそれが白または黒のS以外ないことがすぐに分かるだろう。このSは、黒Kh2とした後f3で取られているが、さて取られたSはどちらのものだろうか?

 f3で取られたのが白Sだったとしよう。この場合、黒の駒取りはこれで尽きているので、a,b筋の白Pはいずれも直進途中で取られることはない。従ってこれらはいずれも成っており、それには少なくとも3枚の駒取りが必要になる。可能な白の駒取りはあと1枚だけだ。
 ここで「f3で駒取りが起こったとき、f筋より右の配置は既に出来上がっていた」という事実に気付くのが大事である。白Sf3を取れる駒は黒Bよりないが、これはその後で白Sb4によって取られる他ない。よって、白側の駒取りもまた4枚となり、これで尽きているのだ。
 すると白Pはg,h筋でcross captureすることはできないので、黒がPdxBe6と白Bをuncaptureし、これをf1に戻してからPg2-g3と逆算することになるが(白Bを戻さずにPg2-g3とすると、黒が原型位置の白Bも取っていることになる)、ここから白Bg8が成駒だということが判明する。これは白枡Bなので、a,b筋の白Pによる駒取りは更に一枚増やす必要があるが、白の駒取りは既に尽きていたので矛盾。以上より、f3で取られたのは黒Sだったことが分かった。

 では、実際に出題図からの逆算手順を考えてみることにしよう。#2という条件から、直前の着手は黒の手だったことになる(現在白番だから)が、右下の配置をほぐすまで、黒側に可能な逆算はb筋のPを戻す手とPe6の取りを戻す手の2手しかない。しかし単に白Bを戻すだけだと、Retract:1...Pd7xBe6 2.Bd5-e6 Pb6-b5 3.Bf3-d5 とした時点で黒が手詰まりになってしまう。つまり、白もまた黒Bの取りを戻す必要があるのだ。正しい逆算は、次のようなものだ。
Retract:1...Pd7xBe6 2.Sa2xBb4! B-- 3.Bd5-e6 B-- 4.Bf3-d5 B-- 5.Bd5xSf3 Sg1-f3+ ...

(図4-1)
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 ここで、予め今後の逆算手順について重要な事実を指摘しておこう。前述の通り、黒はe筋とg筋で2枚駒取りをしているので、a,b筋の白Pは少なくとも1枚が成っている。つまり、最低でも1枚は駒取りをしていることになる。更に、上の逆算手順中に白は2枚駒取りをしているので、これで白の駒取りは3枚。従って、g-h筋の白Pはcross captureできないことになる。言い換えると、Ph2xg3?という逆算は不可能である。
 尚、上の手順中では白がすぐに黒Bをuncaptureしているが、このタイミングは絶対。そうでないとダメな理由は、更に逆算を進めていけば判明する。

 この図から右下の配置をほぐすには
(1)黒Kh1,Rh2とし
(2)白Q、黒Kの順に脱出させ、
(3)白Bをf1に収めてからPg2-g3
という順で戻すことになるが、これで黒Kを解放して一件落着とはならない。更に逆算を進めてみよう。Pg2-g3とし、更に初形位置に戻せる駒はすべて戻すと、局面は例えば以下のようになっている筈だ。

(図4-2)
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 ここからの逆算は、
(4)白Ph7をh4まで戻し
(5)白Rg7を動かし
(6)黒Bをf8に収めてPg7-g6
(7)白Bg8をa8(c8)に持って行き、成を戻す
となる。
(ちなみに、Ph7をh4で止めるのは、白Rをh1に戻す為である)

 ここまで来てやっと、今まで未解決だった謎に完全な解答が与えられたことになる。白がすぐに黒Bの取りを戻さないといけないのは、そうしないと黒の2手目の逆算がPb6-b5となってしまい、黒Rがa8に戻れなくなってしまうからである。(具体的な意味づけは、各自ご確認下さい)
 結局、a)では合法な逆算が可能だったので、仮定したとおりキャスリングも可能で、作意は1.0-0-0 --- 2.Qh1#となる。

 b)ではこれと同様の逆算ができない(∵b4は黒枡だったが、c6は白枡である)ので、1.0-0-0はillegal。その代わり、1.Se5 (2.Sf3/g4#) Rxg3 2.Bxg3#が成立する。

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(5)Michel Caillaud (Die Schwalbe 66, 12/1980, 2nd Prize)
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H#4.5 (7+9)
Circe, A Posteriori

Circe:駒取りがあったとき、取られた駒は実戦初形の位置に復活する。RBSの復活場所は駒取りがあった枡と同色の方とし、Pは駒取りがあったのと同じ筋に復活するものとする。もし復活する枡が他の駒によって占拠されている場合は、復活せずにそのまま盤上から消える。復活したRはcastling可能であり、復活したPもen passant可能である。

A Posteriori:「もし白(又は黒)のcastlingが可能ならば、直前の手はPのdouble step以外あり得ない」という局面において、en passant captureを認める。但し、それを「正当化」する為、後で白(又は黒)は必ずcastlingしなければならない。

 フェアリーレトロだが、ルールさえ把握できれば難しくない筈。是非挑戦してみて下さい!
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