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2019年09月12日22:42

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M.Caillaudレトロプロブレム傑作選(02)

(1)Michel Caillaud(Die Schwalbe 98, 04/1986)
フォト
Last 39 single moves?

 なくなった駒は白がQBPの3枚で、黒はBSPの3枚。白はPg6とPh3で2枚駒取りをしていて、一方黒はc,d,g筋でそれそれPによる駒取りがあったことが分かっている。すると、a筋の黒Pは成ることができないので、これは直進途中で白に取られたことになり、双方とも駒取りはこれで尽きている。
 白はg-h筋のいずれかで黒Bを取っているが、この事実が重要である。というのは、取られた黒Bは初形でf8にいたもの(即ち黒枡B)なので、ここから双方の駒取り位置に関する重要な情報が得られるのだ。

 h3は白枡なので、白Pがここで取った駒は黒Sしかない。よって黒Bを取ったのは白Pg6ということになるが、g6は白枡なので取った場所はここではない。このことから、白Pが先にg6に到達した後で、h筋の黒Pがg5で駒取りをしたということが判明した。黒はd2でも駒取りをしているが、ここもg5も黒枡なので、c筋の白Pは成っていることも分かる。何故なら、もし成っていないとすると、黒Pc2が白Pを、そして残りの2枚の黒Pがそれぞれ白Qと白Bを取ったことになるが、白のなくなったBは元々f1にいたもの(即ち白枡B)だからだ。

 では、右上の膠着状態をほぐすことを考えてみよう。その為にはPg2xSh3として黒Kを開放するしかなく、その前に白はBf1とRh1も戻しておかなくてはならない。Bf1は白枡Bだが、現在盤面に白枡Bは存在しないので、黒が取りを戻す形で出現させるしかない。f1に戻るまでのルートを考えると、Pb7xBc6としてからBg2-f1というのが最短だ。又、同様にして白Rも最短で戻そうと思えば、盤上のRc3を戻すよりは、d2で取りを戻して貰う方が早そうだ。とすれば、白Rc3は成駒ということになる。

 こうして逆算手順の全貌が見えてきた。具体的には、
(1)白Rc3でa筋の黒Pを戻してからc7-c8=R、黒はPc2をc6迄戻しておいてPb7xBc6
(2)白はBc6-g2としてから、c2迄白Pを戻す
(3)Pc3xRd2としてから0-0
(4)Bf1としてからPg2xSh3
の順に戻せばよい。具体的な手順は、以下のようになる。

Retract: 1-4. Pa2-a4-a5-a6-a7 Pe7-e6-e5-e4-e3 5.Ra3-c3 Pc3-c2 6.Sb2-c4
Pc4-c3 7.Ra8xPc3 Pc5-c4 8.Rc8-a8 Pc6-c5 9.Pc7-c8=R Pb7xBc6 10.Bg2-c6
Pa4-a3 11-13.Pc4-c5-c6-c7 Pa7-a6-a5-a4 14.Pc2-c4 Pc3xRd2 15.Rd1-d2
Pc4-c3 16.Sd2-f1 Pc5-c4 17.Rf1-d1 Pc6-c5 18.0-0 Pc7-c6 19.Bf1-g2
Kg4-h4 20.Pg2xSh3+...


 参考までに、同じ号に発表された同様の作品をもう一つ引用しておこう。こちらにも是非挑戦してみて欲しい。

(1-a)Michel Caillaud (Die Schwalbe 98, 04/1986)
フォト
Last 31 single moves? (12+15)

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(2) Michel Caillaud (Die Schwalbe 64, 08/1980)
フォト
#1 (13+11)

所謂手番問題。現在どちらの手番なのか、レトロ解析を用いて決定して下さい。
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