温故知新（詰パラ533号）

　今日読んでいるのは、詰パラ533号（平成12年8月号）。まずは短大から、中村さんの作品を紹介しよう。

中村雅哉

（詰パラ　平成12年8月号）

45飛、33玉、55角成、32玉、44桂、22玉、11角、13玉、15飛、24玉、
33角成、同玉、32桂成、43玉、33成桂、53玉、65桂、63玉、73馬、54玉、
55飛、44玉、53飛成、同歩、55馬迄25手詰。

　22手指すと、初形に65桂が追加された局面が再現されるという、面白い構成の作品。こういうのは、初形と22手後の局面の差を極小にしたい訳で、できれば初形も73馬にしたいところ。だが、そうすると初手より53飛成が成立してしまう。この辺は当然、作者も考えたことだろう。
　この手の作品として是非知っておきたいのが、次の橋本作。解は伏せるので、初見の人は是非自力で解いてみてほしい。

（参考図）橋本孝治

（近代将棋　昭和60年10月号）

　続いて全国大会記念作品から、これも橋本氏の作品を。

橋本孝治

（詰パラ　平成12年8月号）

43飛成、42龍、52銀、31玉、22銀、同玉、42龍、イ32桂、33銀、23玉、
32龍、34玉、36飛、ロ45玉、44銀成、ハ55玉、35龍、64玉、66飛、73玉、
63飛成、82玉、74桂、93玉、95龍、ニ94角、91桂成、ホ83角、同龍、同玉、
82桂成、同玉、84龍、ヘ83金、Ａ73角、72玉、63銀成、同玉、64龍、52玉、
53龍、41玉、51角成、32玉、42馬、22玉、33成銀、11玉、51龍、12玉、
21龍、同玉、32馬、12玉、22馬迄55手詰。

イ他合は33銀、13玉、12飛以下。
ロ35合は42銀生、45玉、35龍、54玉、56飛、64玉、53飛成、74玉、66桂、
　84玉、64龍以下。
ハ同玉は43龍、55玉、67桂、65玉、75龍、53玉、33飛成、52玉、55龍以下。
ニ金合（銀合）は91桂成、83角、92成桂、同玉、94龍以下。
　歩合（香・桂合）は91桂成以下作意通り進み、84龍に対して
　a)83金なら64角、72玉、73角成以下。
b)83飛なら64角、71玉、81成桂、62玉、53成銀、同飛、同角成、同玉、43飛以下。
ホ他合は92成桂、同玉、94龍以下。
ヘ飛合は64角、72玉（71玉は81成桂以下、変化ニb)に準ずる）、83龍、同玉、
　73飛、84玉、75飛成以下。
Ａ64角は72玉で逃れ。

　簡素図から5度も限定合が飛び出してくる。94合が一番悩ましいが、金合に対して64角、72玉、73角成、同金、81龍、62玉と追った際に、61に利かす意味で角合が最善である。
　ちなみに関さんは、全国大会の当日にこれを暗算で解いたらしい。世の中にはスゴイ人がいるもんだねえ。