(27)Dmitry W. Pronkin(Mystetska Shakhivnytsya 1990, 1st HM)
Proof Game in 17.5 moves(15+15)
なくなった駒は白黒双方ともP1枚ずつ。また、駒取りがc3とh6であったことも明らか。このことから、双方のPはいずれも成っていること、及びCeriani-Frolkinが不可能であることがすぐに分かる。
盤面配置を作るのに白は7手(キャスリングしているとして)、黒は9手かかる。残された手数を考慮すると、白がh6に捨てたのはQであろう。これで白の手数は17手となり、猶予はあと1手しかない。
黒についても同様に考察すると、やはりQをc3に捨てるのが最短で、これで黒の手数は17手ちょうど。以上より「双方QのPronkin」というテーマが浮かび上がってくるので、後は実際に手を進めてみればよい。作意は以下の通り。
1.g3 d5 2.Bg2 d4 3.Be4 d3 4.Sf3 Qd4 5.0-0 Qc3 6.dxc3 Bh3 7.Qd2 Bg2 8.Qh6 xh6 9.g4 Bg7 10.g5 Be5 11.g6 Sf6 12.g7 Rf8 13.g8=Q d2 14.Qg3 d1=Q 15.Sg5 Qd8 16.Qd3 Sd7 17.Qd1 Rc8 18.Sd2
白Qや黒Bの利きを遮らないように、初手で1.g3とsingle stepするのは見易いが、私が実際に解図した際には、白の成Qがd1に戻る軌跡をg8-g5-d2-d1だと即断してしまい、黒の成Qと干渉する筋で悩まされてしまった。勿論作者はこんな紛れ筋を意識している筈もないが、思考のエアポケットというのは意外なところにあるものだ。
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