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2017年06月25日17:34

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Retros on Weekends(23)

(22)Andrej N. Kornilow(Europe Echecs 379/380 07-08/1990)
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駒を色分けし、最終19手を求めよ (29+0)

 なくなった駒はRBSの3枚。Pは16枚あるので、成駒はない。そして、b,g筋で駒取りがあったことが分かっている。

 まずは、Kd7が白でKf8が黒だと仮定しよう。この場合、Rc7,Bc8,Rd6が白で、Qf7とSh7が黒であることは明らか。すると、成駒がないことからQe8は白駒に決まる。するとこれ以外にチェックをかけている駒はないのでPg7は黒駒となるが、その場合Bh8は白の成駒でなければならない。これは矛盾。これより、Kf8が白で、Kd7が黒ということが判明した。
 その場合は、Qf7とSh7が白で、Rc7,Bc8,Rd6が黒ということになる。また、盤面に成駒がないことからRf6とBg8は白駒でQe8は黒駒に決まり、黒Qe8以外にチェックをかけている駒がないことから、Pc6,Pe6が黒であることも確定する。また、上と同様の議論によりPg7が白であることも分かる。ここまでで確定した配置は以下の通り。

(図1)
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 最終手はQd8xe8+ということになるが、これが3枚目の駒取りなので、他のPはすれ違うことが出来ない。よってPc2,Pd2,Pe3,Ph2が白で、Pd5,Ph3が黒であることも決まる。すると、g筋での駒取りを1枚に抑える為には、Pg5が白でPf5,Pg6が黒とするしかない。
 また、Pb2が白だとすると白Bc1が初形位置で取られたことになってしまうので、これは黒Pということも分かる。するとこちらも、b筋の駒取りを1枚に抑える為にはPa7,Pb3が白でPb7が黒とする他ない。これでPの色は全て決定された。

(図2)
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 まだ未確定なのはSa1,Se7,Bh8の3枚だが、これは保留にしたまま逆算手順を考えてみることにしよう。最終手で黒Qが取った駒もRかSか不明だが、とりあえずSだったことにして(この場合、Sa1,Se7が黒ということになる)戻してみると、次のようになる。

Retract: 1...Qd8xSe8+ 2.Pa6-a7 Ph4-h3 3.Pa5-a6 Ph5-h4 4.Pa4-a5 Ph6-h5 5.Pa2-a4 Pa3xBb2

(図3)
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 一見、この後Bc1-b2 Pb2-b3とすればSa1を解放できるように見えるが、白Rが自陣で取られたことになりillegal。すると、ここからの逆算手順も手は限られている。黒がretro-stalemateになる前に、白は右上の凝り形をほぐさなくてはならない。しかし、6.Pg4-g5 Pa4-a3 7.Sg5-h7 Pa5-a4 8.Bh7-g8 Pa6-a5 9.Qg8-f7 Pa7-a6 10.Rf7-f6 Pf6-f5 と戻してみると、もはや黒には有効な戻し手がない。

(図4)
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 つまり、黒が最終手で取ったのは白Rだったのだ。これで上と同様に戻してみよう。その場合、9.0手目は次のような局面になる筈だ。

(図5)
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 ここで漸くSの色が定まる。つまり、このあと9.Kg8-f8 Pa7-a6 10.Rf8-e8 Qe8-d8と戻す為にはSe7が白でなければならず、自動的にSa1は黒ということになる。これで全ての駒の色と逆算手順が確定した。

(正解図)
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Retract: 1...Qd8xRe8+ 2.Pa6-a7 Ph4-h3 3.Pa5-a6 Ph5-h4 4.Pa4-a5 Ph6-h5 5.Pa2-a4 Pa3xBb2 6.Pg4-g5 Pa4-a3 7.Sg5-h7 Pa5-a4 8.Bh7-g8 Pa6-a5 9.Kg8-f8 Pa7-a6 10.Rf8-e8 Qe8-d8

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(23)Michel Caillaud(Die Schwalbe 64 08/1980)
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#1(13+11)
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