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2017年02月27日22:57

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「カピタン」研究(87)

 今週読んでいくのは、カピタン37号(昭和62年5月号)。いよいよ2手詰の世界も佳境に入ってきたようだ。早速引用しよう。

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チェスプロブレムの世界(4) 門脇芳雄

 今回はいよいよ2手問題の本格的なテーマの解説に入る。何が面白いのか判りにくいかもしれないが、これが「前衛」であり、これが「2手問題の世界」である。CPIA(Chess Problem: Introduction to an Art)の記述の順序に従って、次の順に述べることにする。大体はテーマの発展の歴史順である。

1.Separation(詰手順限定のテーマ)
2.Change(構成の変換のテーマ)
3.Try(紛れの構成のテーマ)
4.Pattern(詰手順のパターン化)

1.Separation(詰手順の限定)

 Separation(直訳すれば「分離」)は最も難渋なテーマである。「同時に数通りの詰め方が存在する局面で、玉方の応手選択により詰め方を1通りずつに限定する」と云う構成がSeparationである。(うまく判りやすく云いたいが、適当な表現が思い当たらない。原書の説明も同様で、定義が明快でない)
 Separationの範囲はかなり漠然としていて、解説書の説明を読んでみても、なぜそれがSeparationなのか判らぬ場合まで含まれるが、本稿では比較的理解しやすい2通りの場合(Fleckのテーマ(典型的なSeparation)とDual-Avoidance)について述べることにする。

1)Fleckのテーマ(Fleckはイタリヤの作家名)

 詰方が初手で、N通りの詰め方を同時に狙っているとする。(普通なら初手はただ1つの狙いしか持たない方が発見され難く、価値が高いのだが、Separationの場合だけは別)。玉方にも全部でN通りの受け方があり、受け方1の場合には詰め方1のみ成立、受け方2の場合には詰め方2のみ…と云う風にキレイに整理されてしまうのが「Fleckのテーマ」(典型的なSeparation)である。(Fleckのテーマには、他にも幾つか複雑な表現法があるが、説明は省略する)

(A)Petrus Overkamp
Szachy 1953, 5th HM
フォト
#2(8+4)

1.Sd6 (2.Re4(A)/Rc4(B)/Rexd3(C)/Rcxd3(D)/Sb5(E)/Sf5(F)#)
1...Rxc3 2.Re4#(A)
1...Rxe3 2.Rc4#(B)
1...Sxc3 2.Rxd3#(C)
1...Sxe3 2.Rxd3#(D)
1...Sxb2 2.Sb5#(E)
1...Sxf2 2.Sf5#(F)

 初手Sd6で6通りの詰みを見せられ、玉方は支離滅裂の様だが、6通りの応手でそれぞれ1通りの詰め方で詰むようにスッキリ納まる。(所詮は詰みじゃないかと云う民族感情(?)は残るような気がするが)

(B)Jan Hartong, Jan Arnold Willem Swane
Schakend Nederland 1961, 3rd HM
フォト
#2(8+5)

1.Qd7! (2.Qf5#)
Se5が動くと、2.Rg3(A)/Qxf7(B)/Qh3(C)/Qd5(D)/Qxd3(E)/Qd1(F)の6通りの詰みが発生するが、
1...Sxd7 2.Rg3#(A)
1...Sf7+ 2.Qxf7#(B)
1...Sg6 2.Qh3#(C)
1...Sg4 2.Qd5#(D)
1...Sd3 2.Qxd3#(E)
1...Sc4 2.Qd1#(F)
1...Sxc6 2.Qxc6#

 Se5を動かして応じると、6通りも詰め方が成立しそうな局面だが、Sの跳び方に応じて詰め方はそれぞれ1通りずつに限定されていることが判る。「初手」が6通りの狙いを持っている訳ではないが、これもFleckのテーマの一表現である。
 なお、テーマとは直接関係ないが、初手Qe7は強烈な紛れである。(どうやったら逃れとなるか、これは考えて見て頂きたい)
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