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2017年02月15日23:02

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「カピタン」研究(79)

(3)ボヘミヤ派

 チェコ、ハンガリーなどボヘミヤ地方では、Modelmate(清楚詰の一種)が古くから流行した。これをボヘミヤ派という。Modelmateの美しさはいぶし銀とも云えるもので、古来根強いファンが多い。
 Modelmateには厳格な定義がある。
ゝ擁は全駒(但しKとPは例外)が詰上りに寄与していなくてはならぬ
詰上り、受方玉の周辺(8マス)には「勢力の重複」があってはならない。つまり1マスでも2枚の駒の利きの重複があってはならないし、詰方の駒が利いているのに玉方の駒が逃げ道ふさぎとして存在していてもいけない。
0豢匹派ず2通り以上のModelmateを表現せねばならない。
 これがボヘミヤ派である。

(E)Miroslav Havel  1922, 1st Prize
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#3(8+5)

1.Rc8(2.Be5+ Qxc8 3.Se4#)
1...Qxc8 2.Se4+ Kxd4 3.Qd1#(*)
1...b4 2.Bc4+ Kxd4 3.Be5#(*)
1...Kxd4 Be5+ Kxd5 3.Sf4#(*)

 Havelはボヘミヤ派の王者。盤の中央で奇蹟のような3通りのModelmate。創作の困難さは想像を絶する。(*印がmodelmate)

(F)Ladislav Knotek, 1921
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#3(5+4)

1.Bg1!(2.Bh2 Kc5/Kxd4 3.Qd6/Qe5#(*))
1...e5 2.Qb3+ Kd6/Ke4 3.Sf5(*)/Qf3#
1...Kc5 2.Qd3 Kd6/Kb4 3.Sc6(*)/Sc6#


 作者はハンガリー人。狙いを含めて中段玉で3通りのmodelmateは鮮やか。解く側の難しさは、詰上りの直前まで不詰感が漂っていて、詰みを予感しにくい点にある。

 このmodelmateの創作は、想像以上に難しい。特に例題のような詰上りの離れ業を3通りも盤の中央で演ずるのは奇蹟に近い。コンテストなどではボヘミヤ派問題と構想型問題を別のジャンルで扱い、普通両者を比較することは少ない。しかし、一流の作家は妙手型でしかもmodelmateの作品を作る。Wurzburgはその頂点と云える作家である。

(G)Otto B. Wurzburg
American Chess Magazine 1898
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#3(4+7)

1.Rb4!(2.Rb5/Qb5#)
1...cxb4 2.Qb5+ Rxb5 3.Sc4#(*)
1...c4 2.Sb7+ Kxb4 3.Qb1#(*)
1...Rb6 2.Qa6+ Kxa6/Rxa6/Kxb4 3.Rxa4(*)/Rb5(*)/Qxb6#(*)
1...Kxb4 2.Qb5#

 さりげない配置で、妙手が続出し、しかもmodelmateが5つも出てくるのはWurzburg の至芸。

 現代の作家は、次項以下の様に、たいていエコーやその他の手法でmodelmateをさらに「構成」してみせるのである。

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(注)(G)ではmodelmateが5つとしているが、最後の3.Qxb6#はmodelmateではない。恐らく、筆者のカン違いだろう。
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