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2017年02月11日21:06

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Retros on Weekends(05)

(4)Michel Caillaud(Marco Bonavoglia 60 JT2014, 1st Prize)
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Proof Game in 12.5 moves (15+14)
2sols.

 なくなった駒は白がP1枚のみで、黒はP2枚。また、盤面配置を作るのに白も黒も5手かかる。白の駒取りの形跡がg3に残っているが、ここから黒のCeriani-Frolkin(即ち、e筋のPが成ってからg3で取られている)を想像するのは容易だろう。
 黒の成駒がg3で取られるのには7手かかるので、黒の手は12手ちょうど。ということは、黒Ph7は初形位置で取られていることになる(これを取ったのは白Qだ)。一方白もKをc2迄避難させる必要があり、白Qの手と合わせて更に8手かかるので、こちらも13手ちょうど。まず、この線で作意を探してみよう。
 すると間もなく、以下の順が見えてくるだろう。

1.c4 d5 2.Qc2 d4 3.Qxh7 d3 4.Kd1 xe2+ 5.Kc2 e1=Q 6.Sf3 Qe5 7.Kd1 Qg3 8.Qc2 Rh4 9.hxg3 Rg4 10.Rh5 Sf6 11.Rc5 Sd5 12.Ke1 f6 13.Qd1

 では「もう1解はPronkinではないか?」と思うのが自然な流れ。その場合はRh8をg3に捨てて成Rをg4に持っていくのが必然となるが、実際にやってみるとこれは旨くいかない。はて、どうしたことか?この作者のことだから、2解には必ず何らかの対照性がある筈だが…。
 ここで「今度は白のCeriani-Frolkinか!」と閃いた瞬間が、解図の醍醐味というもの。1解目とは逆に白Pがd8でQに成り、それをg3で黒Pに取らせればよいのだ。という訳で、2解目は次のようになる。

1.e4 Sf6 2.e5 Sd5 3.e6 f6 4.xd7+ Kf7 5.Sf3 Qe8 6.d8=Q h5 7.Qd6 h4 8.Qg3 xg3 9.hxg3 Qd8 10.Rh4 Ke8 11.Rc4 Rh4 12.Rc5 Rg4 13.c4

 本来なら2解目の白の手数は5+7=12手になるところ、Sd5によりRが1手余計に動かなくてはならなくなる仕掛けなど、自然な配置ながら実に巧妙に作られている。流石は巨匠Caillaudだ。

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(5)Werner Keym (Die Schwalbe 1 10/1969)
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#1 b)Sd8→R (14+12)

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