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2017年02月07日22:14

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「カピタン」研究(73)

 今日読んでいるのは、カピタン32号(昭和60年11月号)。この号から、門脇芳雄氏による「チェスプロブレムの世界」が始まっている!私もコピー版で持ってはいるが、Qa1のことを88女というような表記がかえって分かり難く、正直余りちゃんと読んではいなかった。でも内容は、チェスプロブレムの初心者〜中級者にとってとても親切な手引書になっていると思う。よい機会なので、図面及び手順の表記は通常のものに戻し、出典なども可能な限り追記してみたいと思う。

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チェスプロブレムの世界(1) 門脇芳雄

 洋の東西で別々に発生し、発達した詰将棋とチェスプロブレム。両者は深淵さと美しさで横綱格のパズルであるが、日本ではチェスプロブレム(の真髄)についてあまり知られていないので、中級向きに「チェスプロブレムと彼らが求めたもの」について書いてみたい。但し、チェスプロブレムの世界はあまりに広く大きい。あくまで筆者の見たチェスプロブレムの世界である。

(1)チェスプロブレムのあらまし

 チェスプロブレムはチェスの詰将棋と云うべきものであるが、
〆能手以外は王手でなくてもよい(むしろ途中での王手は悪手に近い)。
△个詰と同様、指定された手数で後手玉を詰めねばならぬ(手数を伸ばすだけの無駄合のような手も有効)。
 の2点が詰将棋と異なる。又、例外なく「双玉」である。
 チェスプロブレムのルールは数百年前に考案されたが、「手数限定」という特殊性のためあまり感興をひかず、急に流行しだしたのは19世紀に入ってからで、手数を限定することにより、実戦で絶対にあり得ない妙手が味わえることが判ったからである。チェスプロブレムは欧米各国で流行し、国ごとにユニークな発達をした。特にロジックを追及するドイツ派と、詰上りの清楚さを強調するボヘミヤ派と、構成美を追求するイギリス派などが、最も特長のある流派である。
 チェスでは一方の側の手数だけをカウントするので、詰将棋の3手詰はチェスでは「2手詰」である。19世紀、最もポピュラーなチェスプロブレムは「3手問題」であったが、わずか「2手」で美的構成を表現するイギリス流の構成が興味をひき始め、現代の主流は「2手問題」である。世界チェス連盟(FIDE)で発行している傑作選FIDE Albumに収録された作品の数は、1956年〜1976年のtotal5368題に対し、

2手問題 1499題(27.9%、正規問題中 48.3%)
3手問題  936題(17.4%、正規問題中 30.2%)
4手問題  244題(4.5%、正規問題中 7.8%)
5手以上 422題(7.9%、正規問題中 13.6%)
フェアリー 1421題(26.5%)
エンドゲーム 846題(15.8%)

で、圧倒的に「2手問題」が多く、現代の主流であることが判る(フェアリーも頑張ってますぞ)。欧米の殆ど各国にチェスプロブレム専門誌があり、フェアリー専門誌も10ぐらいあるようである。これから述べるのは主として2手問題と3手問題である(フェアリーは別の話になるので、取り上げない)

(2)チェスプロブレムの妙手

 詰将棋の魅力は妙手にある。チェスプロブレムにも妙手が出てくる。チェスプロブレムの妙手はどんなものだろうか。奇妙なことに、現代のチェスプロブレムの魅力は「妙手」ではない。
 今から50年も前に発行されたB.Hearleyの古典的な“Mate in Two Moves”にさえ「妙手(初手)はチェスプロブレムの真価ではない。チェスプロブレムの真の内容は99%以上、初手に対する応手以後のバリエーションにある。初手は、それ以後のメインコースの食前酒で、あまり初手がまずいと折角の後の味を落としてしまう」と書いてあり、初手の地位はその後益々下落している。つまり、チェスプロブレムは、妙手なんかあまり問題にしなくなっているのである(少なくとも、妙手だけで一局を支えることはできない)。しかし、話は「妙手」から始めよう。
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