「カピタン」研究（41）

#77 宇野敏満 206号[73-3]

ばか詰 5手　＊王手義務なし

#78 中出慶一 208号[73-5]

ばか詰 11手

#79 中村裕行 206号[73-3]

ばか詰 7手

#80 森　茂 207号[73-4]

ばか詰 217手

・森茂氏の217手の長編。作者自身がお気に入りと言うだけあって楽しめる作品です。86飛の逆王手に御注意。


解

#77
46金、同玉、45歩、55玉、56金迄5手。
担当者―素朴な感じですが、こういう気軽な作もいいですね、攻方55歩を除いて攻方46金を加えると味が少し出るかと…。
・森氏の精密パズル作の対極にあるような作。ばか詰という名にふさわしいばかばかしい感じを出すにはこのルールの方が適しているような気もする。担当者の改作案、これも美味。

#78
32歩成、同玉、33銀生、21玉、22銀生、12玉、13銀生、21玉、22銀生、
12玉、13銀打迄11手詰。
・軽趣向作。絶連はいたしかたなし。

#79
38角、78玉、79飛、68玉、78飛、59玉、18角迄7手詰。
担当者―本局は貧乏図式で非常な難局である。
中出慶一―ばか詰が詰棋から独立して1個のパズルとして存在を主張するためには、詰棋では実現できない飛躍した手筋あるいは狙いを盛り込まなければならないと思います。…（中略）…2（#79のこと）はかなり難解なパズルになっていて優れた作品です。
伊藤美昭―すこぶる難解。普通の詰将棋より難しい。38角左は分かったのだが、あとの79飛からと組み合わせると相当難しく感じる。

#80

26角、28玉、17角、同玉、35角、26角、同角、28玉、
「17角、同玉、44角、35歩、同角、26角、同角、28玉」
これを14回くり返し持駒を歩14枚・角としてから
39角、同玉、17角、28角、同角、38玉、39歩、同と、49角、同玉、
59金、48玉、49金、28玉、39金、18玉、29金、17玉、28金！、同玉、
29歩、38玉、39歩、48玉、49歩、58玉、59歩、68玉、69歩、78玉、
79歩、89玉、99金、79玉、89金、69玉、79金、59玉、69金、49玉、
59金、39玉、49金、29玉、39金、18玉、28金！、同玉、29歩、38玉、
39歩、48玉、49歩、58玉、59歩、68玉、69歩、78玉、79歩、88玉、
89歩、97玉、99香、98金合、同香、同玉、Ａ97金、99玉、98金、89玉、
88金、79玉、78金、69玉、68金、59玉、58金、49玉、48金、39玉、
38金、29玉、28金、39玉、38金、49玉、48金、39玉、49金、28玉、
29歩、同杏、39金、18玉、29金、17玉、18香迄217手詰。

作者―角の打ち直しにより1歩ずつかせぐ趣向（ばか詰でなければ考えられない）の面白さを味わって貰うこと。
石川雅夫―ばか詰というよりパズルみたい。
西田尚史―大傑作です。先の森氏作と似ていて同じ素材のものでしょうが、これは一段すぐれている。
安達康二―モドかしいというか面白いというか…。
阿部昭男―前半と後半の調和が見事。ばか詰の傑作。
松井克彦―39角〜28角合の辺りが巧妙。19杏の入手もよく、本当に楽しめる。
担当者―予想していたことですが、Ａより99金、97玉、88金、96玉、85銀と追った誤答が続出。85銀は禁手です。86飛が36の王に直射するのです。
本作、手順のアヤの難しいところがありますが、森氏作としてはまだまだ軽いカラクリです。スゴイのが控えています。
・目的は結局19杏の入手にあるわけです。これを香でなく歩ではがさなければならないため後半の2往復が成立する仕掛。その金を合駒で入手するのだからニクイ。難しいのは歩稼ぎが終わってから後半への切りかえの部分です。森氏の作はもれなく紹介していきます。乞御期待。

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20号に余詰指摘が載っていたので、それも引用しておこう。
指摘はいずれも出口信男氏である。

#63（自殺煙）3手目より86角、同金、88と右、76玉、86と、同玉、97と直、76玉、66と、同玉、65馬、57玉、68と、48玉、49金、37玉、38龍、26玉、35龍、27玉、26金、同桂、18飛成、同桂成まで早詰。
また95手目83馬の手で、72金、51玉、62飛成、41玉、74馬、52合、同馬、32玉、22と、同金、42馬、21玉、22香成、同玉、33馬以下早詰。

#73 48銀、36玉、54角、46玉、36飛まで余詰。

#76 53銀成、32飛、42全、33飛、32全、23飛、22全、33飛、32全、23飛、24歩、13玉、23歩成、11飛、22全迄余詰。

#77 39歩、26歩、54歩、36歩、38金迄余詰。