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2015年03月31日22:40

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L.Cerianiレトロプロブレム傑作選(8)

(7)Luigi Ceriani (Europe Echecs 58 10/1963)
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局面をほぐせ (12+14)

 白のなくなった駒はQPPP、黒のなくなった駒はQB。黒の駒取りはb,f,g筋で、白もまたb,c筋で最低駒取りを2回しているので、h筋の白Pは直進途中で取られていることが分かる。これで双方とも駒取りは尽きている。
 最終手は明らかにRg6-g7+だ。また注意深く観察すれば、黒Pa6xb5が最後の駒取りであることが分かる。つまりa8での成駒は黒に取られることなく盤上に存在している。それはBe8以外あり得ない。つまりこのBをa8でunpromotionしてa5までPを戻せば、ようやく局面をほぐすことができるという訳だ。
 その為にはBa7をb8に持っていかなければならないが、その為にはc7に何か遮蔽駒を挟む必要があり、それが黒Sであることはすぐに分かる。しかし普通に1.Rg6-g7+のあと1...Pd3-d4 2.Sd7-f8 Pd2-d3 3.Sb8-d7 Bd7-e8 4.Sa6-b8 Be8-d7 5.Sc7-a6 Bb8-a7 6.Sa7-c8 Bd7-e8 7.Pf3-f2 Bc8-d7 8.Pf4-f3 Bb7-c8 9.Sc8-a7 Ba8-b7 10.Pa7-a8=S...とすると、この瞬間、黒がretro-stalemateになってしまっている。ここで何か白の待ち手が必要なのだ。

(失敗図)
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 そこでh筋の白Pに目がいくかどうか。これを待ち手に使えるということに気付けば、以下のような逆算をすることになる。

Retract: 1.Rg6-g7+ Pd3-d4 2.Sd7-f8 Pd2-d3 3-10.Se5-d3-f4-xPh5-f4-d3-e5-d7 Ph4-h5 11.Sd7-e5 Ph3-h4

(11.0手目の局面)
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折角発生させたh筋の白Pもすぐにh3まで戻さざるを得ない。だがまだ一手残っている。(それにf筋の黒Pはまだ手つかずだ)この1手が逆算するうえで決定的な意味を持つ。

12.Sb8-d7 Ph2-h3 13.Sa6-b8 Bd7-e8 14.Sc7-a6 Bb8-a7 15.Sa7-c8 Bc8-d7 16.Pf3-f2 Ba6-c8! 17.Sc8-a7 Bb7-a6 18.Sa7-c8 Ba8-b7 19.Sc8-a7 Pa7-a8=B 20.Pf4-f3 Pa6-a7 21.Sa7-c8...

 これでようやく白Bを戻すことに成功した。(途中、Ba6-c8-b7というtempo moveが入っているのも芸が細かい)この後局面を戻すのは容易だろう。

 本作では白Bの成を戻したが、Cerianiは同様の構図を使ってRやSの成を戻す図も作っている。参考図として以下に挙げておくことにしよう。

(7-a) Luigi Ceriani, B.Leclercq (Europe Echecs 12/1960)
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局面をほぐせ (12+14)

(7-b) Luigi Ceriani (La Genesi delle Posizioni 1961)
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局面をほぐせ (11+13)

 今回の出題作のテーマも、Cerianiが色々な角度から追及したものの一つである。是非解図してみて欲しい。

(8) Luigi Ceriani (32 personaggi e 1 autore 1955, 2nd Prize)
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黒Qの初手は? (12+15)
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