中村哲先生のご講演 昔 聴きました

　息子達が幼い頃、ウチは大阪 八尾市に住んでいて、その八尾小学校で、
中村哲先生のお話がありました。体育館などでなく、普通の教室で、です。
父兄も聞いていい、って事で私も行きました。児童は教室に座れる程度の人数で、
どういう企画で、中村先生がいらしたのか由来は不明です。

　今の様なお髭もなく、小柄な先生でしたが、お話にはとても感動しました。
医療はそれだけでなく途上国の人々の暮らしも救わねば、という様な内容で、
のんびり聴きに行った私は、もう 感動しまくりました。

　小さな体から迸り出るお話の熱い想いは、心に沁みました。お話が終わって、
色々お尋ねしたい事も有ったのですが、教室の後ろで、先生のご様子を暫く
眺めていました。その時の光景など、今でもはっきり覚えています。

　正確には何年の何時だったのか思い出せず、八尾小学校に電話して訊きました。
しかし、40年近く前なので、電話口の先生自体、へェ〜、そうなんですか〜？と
ご存知なく、当時の先生方は退職なさってどちらにおられるか・・？だそうです。

　なぜ、八尾小学校のあんな小さな教室に、どんな理由で来て頂いたのか。
それも判りません。息子達に話しても 覚えていません。でも、熱いお話でした。
先生もお若かったし、私も若かった時代です。

　その先生が、それ程の業績を上げられ、銃弾に倒れ、ご遺体となって帰国された。
アフガンでは、空港へ送るご遺体を、最高の儀礼を持って運び、ガニ大統領は、
棺を運ぶ兵士？達の先頭に立って担って下さっていました。

　しかし、日本の安倍首相の対応は、殆ど無関心そのもの。特別なコメントもなく、
国会で全員が黙祷しただけです。私は、日本国民として、心底、恥じました。
こんな無神経な男が、日本の総理大臣なのです。自分の得にならねばどうでもいい？
与党も野党も、中村医師を、慰労し讃え 非業の死を悼むコメントなしです。

　中村さんを称え、惜しんで下さる諸外国にも 顔向けできません。
何はともあれ、今日は福岡でご葬儀です。ご家族は、ご主人やお父様の不在を
耐えて支えて来られました。皆様に心から感謝の気持ちを捧げます。

　ご葬儀が終われば、本当にこの世から去って行かれます。先生に「ご遺体のまま
この世に留まって欲しい」と多くの人々が望んでいらっしゃる事でしょう。
福岡までご葬儀に伺いたい処ですが、岡山からご冥福を祈ることにします。

　本当は、この際、ご家族だけの家族葬にして差し上げたい、と心から思います。
先生も、最後はそうして欲しい、と思われている気がしてなりません。
お通夜も、「誰も来ず、ご家族だけで過ごす静かな夜」にして差し上げたいです。
　
　私は辛くて泣き泣き これを書いてます。でも、そうはならないのでしょう。
葬儀は、普通、家族の気持ちなどそっちのけで進みます。お気の毒でなりません。

　思うに、中村先生は、「憲法9条を地で行く医療」をなさったのです。
「地球の大統領になって頂きたかった」と、心の底から思います。
どうか 安らかにお休み下さい。この世が平和になる様、どうか見守って下さい。

　中村先生！　アフガンの旱魃地が 緑豊かな大地に変化した様子が、数十万人の
人々が農耕に勤しむ様子が、天国からは よくご覧になれるでしょう。どれもこれも
先生のお陰です。後継者育成にも尽力なさいました。ご意思を引き継ぐ事でしょう。
天国から、先生のオーラを地上に降り注いで下さい。どうかお願い致します。

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　先生の仰有ったお言葉、「テロに加担する人々も、暮らしが楽になれば、誰も
そんなテロなどしない。医療も大事だが、人々が清潔で飢えない暮らしも
医療の一環だ」と。そして「飢える地の人々に必要なのは、弾薬でなく温かな
食べ物や癒しの言葉だ」と。私も 心から賛同します。

　同じ経費を使って、戰をし、相手国の住居を破壊し、誰が幸せになるのでしょう。
「憲法九条が、世界の憲法になる日」を、私は切望しています。