mixiユーザー(id:10827658)

2019年10月07日15:36

183 view

霊柩車でデートしてた時代

 今頃、ふと思い出したんですが、私は神戸に住んでいて、学生時代、
友人たちと六甲山に遊びに行きました。休日で、山の上は大勢の人で
道路も人だらけでした。そんな処へ、向こうから霊柩車が来たのです。

 どこか 別荘でお葬式か・・?と思ったら、そうじゃない。
運転席には、若い男女が乗っていて、ルンルンのデートでした。
イチャイチャじゃなく、初々しさに溢れてる爽やかな二人です。
私は、「へ〜! 霊柩車でデートなんだ〜!」と驚きました。

 そのギンギラ車の横を、何人もの人が通ってるので、誰もが私と同様、
不審の目、呆れた目、何なのさ!って目で、見てた筈ですが、
カップルは楽しげに会話が弾み、人目など ぜ〜んぜん気にしてない。

 確かにデートなので、ギンギラ霊柩車に続く親族の車もありません。
その日は葬儀がなかったのでしょう。救急車は待ったなしで出動ですが、
霊柩車は、少なくとも前日には出番が判ります。

 若者がマイカーなど持ってない時代、オーナーのご子息だったかか、
従業員だったか判りませんが・・。でも、あれだけの人出の中で、堂々と
ユルユル走ってたのは、疚しいことが無かったからでしょう。

 当時は呆れただけでしたが、私の歳になれば、それも判ります。♪
今でも二人の愉しげな顔と霊柩車を思い出せますが、あれから数十年、
二人が結婚していて、今 出会っても分からない。それぐらい昔です。


 今もギンギラ霊柩車は健在ですが、少なくなりましたねぇ。
ゆったりした洋式の霊柩車が多いです。しかし、時代は変わるものです、
都内の新しい葬儀場では、「霊柩車不要の時代」になっているのです。

 三年前、知人の葬儀で上京しましたが、都会では亡くなる人も多く、
火葬場が足りず、順番待ちになり遺体を預かるところもあるそうです。
大都会では 自宅も狭く、ドライアイスを補充して安置するのも難しい・・

 で、霊柩車ですが、知人の葬儀が行われた所は、葬儀の小部屋がいくつも
並び、表が広めの回廊になってます。葬儀が済むと 遺体はストレッチャーに
乗せられ、幾部屋もの葬儀室の前を通り、その回廊の外れまでゆきます。

 そこに広い部屋があり、奥に幾つもの窯が並んでいて、何体もの火葬が
可能です。その待ち時間に、さっきの葬儀室の上で遺族たちの会食が供され、
終わった頃には 火葬も終了。火葬時間も、信じられないほど早かったです。

 遺骨は1m四方ほどの台の上に纏めて置かれ、遺族が囲んでお骨上げ。
その場所のために、焼却炉の前が広いホールになっているのです。これなら
霊柩車も不要、移動時間も不要。焼却の窯も、次にすぐ対応出来て効率がいい。

 でも、これでは焼却台の上に並んだ遺骨は見られない。旧式の火葬なら
上に頭蓋骨が有り、肋骨や腕や大腿骨、両足の骨も、遺族が確認できるのに、
台に遺骨が盛られ、これでいいのか・・と思いますが、そんな時代なのです。

 旧式のお骨上げしたい時は、近隣の旧式の葬儀場に頼むことです。
でも、新式では、参列者数も限られ、全てが短時間で終わる利点があります。
自分の死後を、家族と話し合うこと、特に 臓器提供は日頃の確認が大事です。

 
 六甲山でデートしてた二人も、もう高齢者の仲間入りでしょう。
デートに使った霊柩車は、まだ走ってるのかしら? もう廃車でしょうね。
廃車でも、車は火葬じゃないので、余分なことを考えずに済みます。

 でも、私たちは人に生まれちゃってるので、何かと手間です。
死は待った無しで来たりします。死後のことを考えることは、必要です。
そんなこんなで、今は転けないよう 用心して暮らしてるmooです。♪
5 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する