私がすごく小さい頃、
「うちの子、いまだにお笑いやるって言ってるのよ。みんな就職してるって言うのに・・・まったく、いつまで続ける気なんだか・・・。」
と言うようなことを言ってる知り合いがいるとうちの母から聞いた。
のちのち、それが志村けんさんだとわかった。
私も物心ついた時にはシムラは「見習い」と呼ばれなくなって、「けん!」と呼ばれたりしていた。
いわゆる、みんなが”髪を切って就職する”時代に、コメディアンとして成功した人だった。
若い子に、
「シムラってイケメンだったんだよ」って言うと、「うそぉ〜〜〜」と返されるけど、マジでそう言うジャンルだった。
2枚目だけど面白いことをする、下品なネタをする、そう言うキャラ。
見習いの時にちょこっと舞台に出る若いイケメン。だけどなんだか面白い。
それで目をつけられて人気が出た。
ジャニーズJr.と同じ経路ってワケ。
当時で言うなら郷ひろみのお笑いバージョン・・・かなぁ。
すぐに子供達から「シムラ!」と呼び捨てにされるようになった。
私は「飛べ!孫悟空」が大好きだったなぁ・・・。
学級会で「ウルトラマンの〜子供〜子供〜子供〜♪」とみんなで歌ったら、先生がアワ吹いてたし。
欽ちゃんは絶対下品なことはしない。
客いじりとタレントいじりをしてアドリブで笑いをとったりする。
ドリフは練りこんだ台本のあるネタで、お客の反応は織り込み済みでやってる。
せんだみつおはとにかくカッコ悪い役を演じる。
いろんなお笑いの人がいたけど、結局、やたら真面目な人が残る。
真剣にお笑いのことを日夜考えてる。
ずいぶん経ってから、「志村けんって普段はすごいダンディにお酒飲んでるんだってよ〜。」母親が聞いてきた。
「あの時、就職する気がない息子に困ってたお母さんはどうしているんだろうね。」
まさか70歳のこのタイミングで亡くなるとは思わなかったけど、
ふわっと私たちに注意を促して消えていったような感じだ。
志村本人が”ひとみばあさん”のように歳をとりすぎることなく、面白くて優しいままで、
私たちが感染に注意するようになることを織り込み済みで”いかりや”のところへ行った。
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