俺街道を行く41前編(サラリーマン徒歩日本全周)

飯田線秘境駅歩き

本丸は情報戦

　戦いは出発三日前、宿への確認電話から勃発した。
フロントの方が何で来るのかと問うので、
徒歩で中部天竜方面からという答えに対して
時間交通規制がある箇所があるけど大丈夫ですか？ときた。
　慌てて道路規制情報ＨＰを漁ったのだが、今回の初日の
ルートは静岡・愛知・長野県が入り乱れ、さらに県道村道と
大変ややこしく困難を極める。
　結果言われた規制箇所は見つけられず、それとは別の規制が
３か所もルート上に見つかった。どれも根本から当初のルートを
脅かすもので、出発前日まで代替ルート３本も立てて検討。
　ようやく時間規制さえクリアできれば、数キロの迂回でいける
１本を選択。フロントの方の言う規制箇所が不安要素として残るが
行くしかない。

　前の遠山郷歩きのスタートと同じく仕事上がりで到達できる
飯田線到達可能駅中部天竜駅下車。今回はここから自販機が
十数時間のゴール近くまでないと思われる。
　ペットボトルを６本購入し、いざ。
【１日目　11月21日】
0：00スタート。雨上がりの道を佐久間ダムへ向かう。
　ダムまではこの時間でも２台車と会う
　
　行きつ戻りつ
　しかしそこからは全く車なし
　
　延々の闇を抜け、ようやく集落の灯り
　と、そこに交通規制看板があった
フロントの人の言っていた規制だ。やはりあったのだ。
というか青部分が迂回ルートだがこんなの歩けるわけないだろｗ
事前に知らなかったら失神ものだわ。9時から通れなくなるので気は焦る。

この集落手前に観光案内所があり自販機と真新しいトイレがあった。
ここが正真正銘最後の給水ポイント。知っていたら荷を軽く出来た
のになぁ。集落以降からしかグーグルマップで確認してなかった、失敗。

　
　
　最初の休憩ポイント大嵐(おおぞれ)
自販機はないが、ここが最後のトイレとなる。
5：30頃着で駅ノート書いて明るくなるまで横になって回復を図る。

　ここで今回の初日ルートについて先に軽く説明したい。
飯田線はいわゆる秘境駅の宝庫と言われ、秘境号なる特別列車が人気がある
と聞く。日程的にルート間の駅舎全てに寄るのは難しいので、この秘境号の
途中停車駅を飯田線秘境駅の代表としてルートを作成した。
停車駅は【小和田・中井侍・為栗・田本・金野・千代】
そのうち【小和田・中井侍】が初日の訪問駅(残りは２日目)
●中部天竜駅→佐久間ダム→大嵐駅→中井侍駅8：28電車8：33小和田駅→
　中井侍駅→ゲストハウス満月屋(伊那小沢駅と平岡駅の間にある)泊
これが当初立てた行程。ところが悔しいことにコロナでゲストハウス休業、
平岡駅併設宿泊所に変更した。
ちなみに電車の区間があるのは、自分が同じ道を極力歩きたくないからで、
登りの片道を残すことで噂の小和田駅からの脱出を楽しめるように組んだ。
　ところが先の通行規制調査で大嵐駅→中井侍駅が通れないと判明。
●中部天竜駅→佐久間ダム→大嵐駅→伊那小沢駅10：01電車10：11小和田駅→
　中井侍駅→伊那小沢駅→平岡駅泊　と急遽組み直した。
数キロ増・大嵐駅→伊那小沢駅にて時間規制有・しかも平岡駅売店営業時間の
関係からの17：00ゴール目標に対して小和田駅からの持ち時間一時間半減。
　正直キツイが挑戦欲もかきたてられる。燃えるよなこういうの。

　
　
　無事規制突破。
あまり深く考えてはいなかったが、この大嵐駅→伊那小沢駅の天竜川
西側の道、対岸に【小和田・中井侍】駅を眺めることが出来る。
特に１時間かかるという小和田駅の徒歩脱出記はネットに数々出てくるが
対面からの観察記は目にしなかったような気がする。

　
小和田駅、こうしてみると秘境駅というふうには見えない。
　そしてまた県境

　
これが大嵐駅→中井侍駅の通行止め。これも事前に知らなんだらパニックだ。
いやおそらく1キロ程度だし突っ込んでいただろう(問い合わせでは廃道化)
本当にフロントの方の一言がなかったら大変なことになっていた。
川沿いをそのまま直進して伊那小沢駅へ向かう。

　続いてとんでもないのが
　
右下が中井侍駅、噂に聞く九十九折の急坂が横にそびえる。
　ようやく伊那小沢駅への橋が見えた。
　
　
　9：10頃タイムアタック成功
電車10：01までしばし駅ノート書きつつ着替えつつ、激闘前の大休止。

　三県境の駅
　飯田線秘境駅の代表格小和田駅下車
　
　タイムアタック開始ゆえ長居はできない
一緒に降りた外国人親子とソロ男性は次の列車まで滞在するようだ。

　駅前通りをスタート
　
　
　
　
集落まで１時間とあったのでどこまで削れるかと勢い込んでみたものの
55分かけちゃいましたｗ　汗だくで息も整いません。でも急がねば。
　入口に立派な看板出来てた

　中井侍駅への道は大回りだが快適
　今回最後の県境
　茶処で有名な茶畑も出てきた
　
　
　
ようやく駅への九十九折の降り口に到達。茶畑縫って降ります。

　
歩行者も通行不可なら今の急坂群を登り返さなければならないところ。
村に歩行者通行可能を確認済み。これまた知らないと愕然だわなぁ。
　
　
　駅ノートケースに茶の解説が。イイネ
　うん、ゾッとするｗ
　全然問題なし

伊那小沢駅へ無事戻り道をつなぎ一休み、がほどなく列車が到着しますの
合図があったので出発。背後で列車が到着したようだがなんだか騒がしい。
折り返しての駅の横道から眼下のホームを眺めやると大量の人が車両から
噴き出していた。特別列車か。なるほど大人気だわ。
拡声器でガイドさんらがあと１分で遮断器降りるので早く戻ってくださいと
声を張り上げていた。なかなかに慌ただしい。
　しばらく進んでふと気づく。小沢駅の様子考えると、特別列車の停車駅は
敢えてトイレを置いていないのかも。誰か入っちゃったらアウトだもん。
となると明日の残す４駅もトイレはあてにできないなぁ。そして予想的中。


ありがたいことに平岡駅への道路合流地点に立派なトイレがあった。
大嵐駅以来10時間ぶりかな。自販機もその先に。炭酸で早いが祝杯。
　
　
平岡駅併設宿泊施設龍泉閣へ１６：５０頃到着。
フロントにお礼と土産物を渡し、売店で買い物のあと部屋で荷解きをして
買ったものと余分な荷物(今回は以降徹夜ではないので予備ヘッドライトや
余剰防寒具や着用してきた下着や靴下類)を売店から自宅に送り返して
ひと段落（売店が17：30までなのでここでタイムアタックめでたく成功）

温泉を頂き、眠気でふらふらになりつつも美味しいそばと冷奴を頂いて、
部屋に戻ったら19時頃には沈み込んでしまった。


本日の歩数　92,801歩

後編に続く