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2021年12月03日00:11

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見納めのクリムゾン

11月27日(土)、東京国際フォーラム・ホールAにて、キング・クリムゾンの来日公演を観た。
3年ぶりの生クリムゾン。
メンバーの年齢を考えると、観られるのはこれが最後かも、という思いでライブに臨んだ。

前回観た時は、ほぼ完璧といっていい内容だっただけに、果たして今回はどうか、あのレベルを維持するのは、難しいかも、とか思っていたりもしたが、やはり自分はクリムゾン教信者としての信仰が足りないな、とライブを観て反省した。

いや、すごかった。凄まじかった。
前回をも凌ぐような圧巻のパフォーマンス。

前回同様、ライブは2部構成で、1部も2部も、スリー・ドラムスの掛け合いでスタート。
ひょっとしてそれぞれに曲名があるのかもしれないが。
以下、記憶を頼りに曲目を紹介すると――

<1部>
冷たい街の情景
クリムゾン・キングの宮殿
ッド
再び赤い悪夢
インディシプリン
アイランズ

<2部>
太陽と戦慄パート1
ニューロティカ
エピタフ
レベル5
スターレス

<アンコール>
21世紀のスキッツォイドマン

……わからない曲は省いたのと、曲順も正確かどうかわからないので、そんへんはご諒解のほどを。

前回観れなかった「冷たい街の情景」と「太陽と戦慄パート1」には、ただもう感無量。
前回よりもヴォーカルが力強く感じられ、「再び赤い悪夢」や「スターレス」も、違和感なく歌がすっと入ってきた。
衰え知らずのロバート・フリップのギターには、驚きよりも感謝の気持ちを覚えた。
確か今75歳だと思うけど、これだけ弾ける75歳が他にいるかね。

自分にとってこの日の最初のピークは、「宮殿」そして「レッド」だった。
「宮殿」のクライマックス、あのメロディーが延々と繰り返られる中、この音の中にずっと浸っていたい、いっそこの音の中で死なせてくれ、と思った。

レッド」では、何故か突然涙が溢れた。
何で「レッド」で泣くのか、自分でもわけがわからなかったが、その時感じていたのは、これは本当に最高のクリムゾンだということ。
自分がリアルタイムで知っているクリムゾンは、80年代以降で、70年代の最高だったクリムゾンはずっと過去形だった。

それが、今現在形となって目の前に存在している、そのことに感極まってしまったのかもしれない。
前回でもそれは感じたことだが、今回はよりリアルに体感したということか。

次なるピークは、「スターレス」の時にやってきた。
後半のインスト・パート、演奏がカオティックにヒートアップし、とてつもなく凄まじい迫力の音が場内を支配した。
思わず叫びたくなるような興奮、体中の血が沸き立つような高揚感、まさに至福の体験。

そしてアンコールの「スキッツォイドマン」――これで終わりかと虚しさを覚えつつも、申し分なく最高のフィナーレに、今日感じた全ての想いが浄化されていくようだった。

終わった。
これでクリムゾンは見納めかもしれない。
ひょっとしたら、今回のツアーが最後になるかもしれない。
そうだとしても、最高のクリムゾンを自分の中に刻みつけることができた。
それだけでもう充分だ。

ライブから1週間近く経つが、この間、ほとんどロックを聴いていない。
何かもう聴く気がしないというか、聴くのが馬鹿らしいというか。
クリムゾンですら聴いていない。
あのライブの体験を超えることはないだろうから。
なので、ジャズやクラシック、アイドルなどを聴いている。

ライブの余韻、いつまで続くことやら。

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