大好評(?)につき、引き続き第1期ウルトラヴォックスの話。
今回は、1977年発表のセカンドアルバム「HA! HA! HA! 」。
タイトルからしてアルバムとしての統一感にはこだわってなさそうな気配。
けれども、曲調がバラバラだった前作よりは、音楽的方向性がそれなりに固まってきている。
バンドサウンド感が強まり、パンキッシュでアナーキーな轟音ロックが炸裂、最高のロック・カタルシスを体感させてくれる。
その一方で、クールなシンセサウンドの比重が高まり、エレクトロ・ポップ調の楽曲が披露されている。
全体としていえるのは、荒削りで未完成ながらも、凄まじいエネルギーが漲っている、ということ。
十代の自分は、まさにそれに感応し、当時の鬱屈した気分を、この音を浴びることで解消していたなあ、と。
代表作というと、この次の3枚目が挙げられることが多いのだが、これこそ最高傑作に推す声もあって、それはそれで充分頷ける。
プロデューサーは、スティーブ・リリーホワイト。
そうそう、書き忘れていたが、第1期ウルチラヴォックスを語る上で、ギターサウンドのカッコよさは外せない。
スティーヴン・シェアーズ(だったよな、確か)のノイジーなギターは、もっと評価されていいと思う。
では、アルバムから3曲を紹介。
「ウエスタン・ワールド」……アルバム中、最も破壊的な1曲。ノイジーな轟音がもうたまらない。
「スティル・アライヴ」……のたうつようなギターとクールなシンセとの絡みが最高の1曲。ウルトラヴォックスの音楽性を端的に表現。
「ヒロシマ・モナムール」……エレクトロ・ポップの先駆けといえる名曲。サックスを絡ませるアレンジは今聴いても新鮮。
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