ブラック・ミディの新作「カヴァルケイド」を購入。
ブラック・ミディは、デビュ−時から注目していたバンドで、ファ−ストアルバムが出た時は、いつかそのうち買おうと思っていた。
しかし、このセカンドが出て、アルバムから数曲を聴いたら、これは買わねば、と思った。
これはクリムゾンだ、と思ったから。
クリムゾン色が強いサウンドに、クリムゾンファンとして買わずにはいられなかった次第。
アルバムを聴いて、やはりクリムゾンの影響は色濃く感じられた。
例えるなら、「ディシプリン」が「アースバウンド」化したような印象。
変則的かつ緻密なアンサンブルで、破壊的でアナーキーな轟音を鳴らす、というのは、まさにクリムゾン的な方法論である。
構築的でありながら、破壊的でもある、というアンビヴァレンスが、見事に音像化されている。
ただ、クリムゾンと比べると、ちょっと薄味というか、70年代クリムゾンのような張りつめた緊張感はない
そうでない分、ポップで聴きやすくなっているように感じられる。
また、特に80年代以降のクリムゾンのような、音楽に何がしかの知的なコントロールを働かせようとする感じもない。
より自由に衝動を解放しているような印象を受ける。
そのへんにブラック・ミディのオリジナリティがあるのではないかという気がする。
そのことは、比較的クリムゾン色の薄い、スロー・ナンバーにおいてよりはっきりと感じ取れるように思う。
静かに淡々と歌われながらも、歌に絡みつく演奏がアナーキーな感触があって、それがどこかエモーショナルな高揚感を掻き立てていく――こういう感じは、クリムゾンにはなかったのではないかなと。
全体的にクラシック的というかヨーロッパ的な雰囲気があって、黒人音楽の色が希薄であることからも、70年代プログレッシヴ・ロックを引き継いだ存在といってもいいような気がする。
勿論それは単なる懐古趣味ではなく、あくまで現在形のリアルなロックである、というのが最大のポイント。
いやあ、ブラック・ミディ最高、ということで。
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