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2021年09月16日00:17

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歴代NO.1ラブソング

今はもう休刊となってしまった音楽雑誌「スヌーザー」で、以前、ラブソングベスト100みたいな特集があって、1位に選ばれたのが、ビートルズの「She Loves You」。

この曲は、主人公の好きな女の子が、主人公の友達を好きだという、いわゆる三角関係の歌なのだが、ポイントなのが、主人公が自らの不幸を受け止めた上で、二人の関係を祝福していること。
「彼女は君のことが好きなんだぜ、イェイ、イェイ」
自分が不幸になっても他人の幸せを祝福できる、これこそが本物の愛だ、と。

なるほど、と納得すると同時に、長年の疑問が解けた。
「She Loves You」は、ビートルズの中でも特に好きな曲なのだけれど、何で「 She Loves Me」じゃないんだろう、とずっと引っかかっていた。

そういう単純な歌ではなかったのだな、と。
レノン&マッカートニー、さすがに深い。

――で、この曲と全く同じ内容をもつのが、森高千里の「気分爽快」である。

この曲、ビールのCMで使われ、サビで「飲もう」と歌われ、曲名が「気分爽快」であるから、てっきり景気のいいハッピーソングだとばかり思っていた。
けれど、歌詞をよくよく聴くと、実に悲しくて切ない歌なのだ、これが。

密かに好きだった男性と親友が付き合うことになり、複雑な気持ちで祝福するという歌なのである。
「飲もう」は、祝福の言葉であり、また、飲んでもやもやする気持ちを吹き飛ばしたいというニュアンスも感じさせる。
そして「今、私、気分爽快だよ」のフレーズが、たまらなく切なく響く。
ラストのフレーズが、「不思議だね、気分爽快だよ」。

この「気分爽快」には、複雑な気持ちを乗り越えて、切ないけれどポジティヴであろうとする心情が窺えるように思う。
それは、まさに「She Loves You」同様、自分の不幸を受け止めた上で他人の幸せを祝福する「愛」といっていいのではないかな、と。

本当にすごい歌だと思う。
こんな歌詞を書いてしまう森高千里、やはり天才。

そういうわけで、「スヌーザー」にならって、Jポップでは「気分爽快」が、歴代NO.1
ラブソングに決定、ということで。




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