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2018年12月03日09:35

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紅葉と来訪神

12月に入りました。今年もあっという間に1年が過ぎていきます。
先日は長野県千曲市や上田市のあたりに紅葉狩りに。
青空に赤や黄色の紅葉が映えてとても美しく、
紅葉の季節を満喫しました。


こちらの写真を撮った千曲市には「姨捨」という地域がありますが、
まさに今度12月16日の井荻会館
『古事変奏プロジェクト2018 蓑笠の客人』での
キーワードの1つともなる「姨捨山伝説」の場所でした。

そしてこちらの『蓑笠の客人』一番のテーマ「来訪神の民俗文化」。
先週のニュースを見て驚いたのが、
ユネスコ世界無形文化遺産に「来訪神 仮面・仮装の神々」が登録されましたが、
古事変奏プロジェクトを主催している東保光さんの
先見の明というか、時機を見通す力のすごさ!
☆来訪神ユネスコ無形文化遺産に登録
https://www.agrinews.co.jp/p45982.html

語りと音楽、パフォーマンスで紡ぐ来訪神の物語『蓑笠の客人』ですが
東保光さんが多くの時間をかけて調べてきたものが
音やパフォーマンスという形で表現されます。

以下、古事変奏プロジェクト東保光さんの投稿から
引用させていただきます。

『蓑笠の客人』のテキスト。「枕草子」からの引用があります。

蓑と鬼の関連について。
冒頭の「春はあけぼの〜」のくだりが有名な枕草子。
いろいろな虫について語られる節に、
蓑虫について書かれている箇所があります。

「蓑虫、いとあはれなり。
鬼の生みたれば、親に似て、
これもおそろしき心あらむとて、
親のあやしき衣ひき着せて、… 」

と、そこから当時の鬼のイメージがどのようなものであったかが
垣間見える表現を見ることができます。
当時、鬼は蓑をつけているイメージを持っていたという事でしょう。
(作品中では構成上の都合もあるので
原文をそのまま引用している訳ではありません。)

蓑をつけた姿が「鬼」として見られていたという事は、
蓑姿の多い来訪神の民俗を考える上でとても重要となります。
「隠れ蓑」という言葉があるように、
蓑は姿を隠す、見えなくする特別な装束でした。

鬼や神が目に“見えぬもの”として存在していた事は、
「古今集」の序文にある「目に見えぬ鬼神をもあはれと思わせ」
という一文にもあらわれています。
鬼は蓑によって姿を隠しいたのでしょうか。

追放されたスサノオの青草の笠蓑姿での宿乞、
また、斉明天皇記での葬儀を見守る朝倉山の大笠の鬼などの描写から、
古くから神や鬼が蓑笠姿のイメージを持っていた事がわかります。

喜多村信節が江戸時代後期に風俗習慣を記した「嬉遊笑覧」には、
当時の子供遊び「土佐の手々甲」の鬼決め歌の
「それこそ鬼よ、これこそ鬼よ、蓑きて笠きてくるものが鬼よ」という歌詞が記されていたり、
石見地方の正月歌に
「正月どん、ござった、蓑きて笠きて、ことことござった」といったものがあったりと、
こうした日本各地の蓑笠姿のイメージが鬼としての来訪神の蓑笠姿と繋がってゆくのです。

『蓑笠の客人』は、古事変奏プロジェクトが
「鬼とはいったい何なのか」という問題について
初めて取り組んだ作品でもあります。
怪談やオカルト作品のように恐ろしさを強調した表現は皆無ですが、
装束としての蓑笠の民俗を併せて来訪神を考える事を通して、
鬼の本質のある側面についても真面目に考え取り組んだ内容となっています。

公演についてはこちら⇒https://kojihenso.localinfo.jp/pages/551641/page_201607121414
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