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2021年03月15日18:24

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老人の籠居

 3月15日、節気:啓蟄、候:菜虫化蝶。とはいえ、このところの私奴は相変わらず、つれづれなるままの籠居。虫が羽化する季節というに、年寄りは…。
大抵は、キッチンのTVの前でダーティハリーだの名探偵ポアロだのやYouTube動画(PC画面ではなく、大きな画面で視るのはなかなか良い)に興じ、賄屋稼業に時間をつぶす。時にPCをいじりながら庭の餌台に来る野鳥を眺めたり、ごく稀に文庫本を手に取ったりする(まあ、大抵は10分もするとウツラウツラだが)。

 庭の梅の木の餌台では、体のでかいヒヨドリが終始のさばり、メジロはスキを窺ってやって来るみたいだ。時にメジロに味方してヒヨドリを脅かしてやろうかとも思うが、まあ、ジャイアンがのび太をイジメるのは世の常。鳥同士もその点はお互いに分かって攻防を繰り広げているのだろう、人間が余計なことをすべきではないだろうと傍観している。

 YouTubeについてはいささか古い動画だが、河合隼雄 さんの「京大最終講義 コンステレーションについて」や養老孟司さんの「河合隼雄と『まともな人』」が、コロナウイルス禍のためかどこかギスギスした世相の下にあるだけに取分け面白かった。
 河合隼雄京大最終講義 :https://www.youtube.com/watch?v=TcW40V9pzpw
 養老孟司公開講演会:http://www.kawaihayao.jp/ja/work/work_project2/

また、コロナウイルス禍の現在、京都大学が「立ち止まって、考える」というタイトルで数々のオンライン講義を公開しており、その内の幾つかを覗いてみた。日々の感染がどうしたのこうしたのとのマス・メディア情報にウンザリ気味なので、ソロソロこのパンデミックをどう捉えたら良いのかの示唆らしきもの得たかったから。
中でも一番面白かったのは、上掲写真にも載せた伊勢田哲治先生の「科学哲学の観点から見たコロナをめぐる言説」。科学哲学なんてなにやら難しげなんだが、平易な話しぶりで、結論的にはきわめて常識的な内容だが大変示唆に富んだ講義だった(コロナ禍についての各種専門家や政治家のモットモらしい言説に左右されないために)。2回に渡った講義。
  https://www.youtube.com/watch?v=rHxNa2fjUgY&t=3435s
  https://www.youtube.com/watch?v=-8l8CMQZhXI&t=2741s

 文庫本については、上掲写真に載せた井筒俊彦さんの本を三冊取寄せて読んでいる。井筒さんについては、司馬遼太郎が「二十人ぐらいの天才らが一人になっている」と評したとか。今回は、『コスモスとアンチコスモス』に挑戦しているが、のべつくまなく襲ってくる睡魔に散々な目にあわされているのが、正直な現状。いずれ、何とか読み終えたら雑文を書くことにしたいなあと思っている。

 最後になったが、昨日の坪内稔典さんのブログを紹介しよう。
マスクを取り上げた句の評に、「昨日、モノレールの車中で思ったのだが、マスク顔は想像力をかきたてる。マスクをはずしたらどんな顔が現れるのか、あれこれ想像させるのだ。マスクは概して人を美しく人格的にさせている気がする。鼻や口が現れると、人の俗が際立つのではないか。マスクも捨てたものではない」と。
「鼻や口が現れると、人の俗が際立つのではないか」とは、なかなかの名言だと思う。
ただし、だから「マスクも捨てたものではない」とするか、だから「マスクは罪つくりかも」とするか。
まあ、このあたりは、人間というややこしい動物をどう捉えるかにかかっているかな!

写真左:コッソリ盗み撮りした餌台
写真中央:賄い屋稼業の作品 上段は夕食用、下段は昼食用
写真右:上段は京大オンライン講義「科学哲学の観点から見たコロナをめぐる言説」
    下段は井筒俊彦さんの文庫本
 
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