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2019年10月09日09:13

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一粒で二度おいしい

 先月半ば、越後出雲崎やら北信濃柏原へ駆け足旅行した際に拾い読みしていた一茶にまつわる本をやっと読み終えた。金子兜太『小林一茶 句による評伝』岩波現代文庫。
一茶や兜太についてはチョッピリ齧ったことがある程度の私奴にとっては、大変刺激的で面白く、「一粒で二度おいしい」本だった。

 一茶にしろ兜太さんにしろわが家にころがっている俳句雑誌で時折お目にかかる程度で、一茶については江戸期の俳人で「雀の子そこのけそこのけ御馬が通る」などの句を何となく聞き齧りで知っていた程度だし、金子兜太さんについても好印象の持てる骨太な俳句界の重鎮だ程度の知識しか持ち合わせていない。

 この本は、一茶が生涯に詠んだ約2万句から年次順に約90句を精選して、一茶の境涯を点描しながらも、形式面でも内容面でも自由気ままに独自の評を書いたもの。従って、いわゆる客観性を貴んだ一茶研究の書ではない(その手の本も必要だろうが、面白くない)。
一茶の人となりや句そのものに迫っているのだが、多分に兜太臭の強い一茶像になっているに違いない。というより、一茶という人物なり一茶の句を語る事を通して、金子兜太という人物なり金子兜太の俳句論を展開している本だと見受けた。

 それがどんなものかを書き示すのは、大変難しい。本の中から幾つかのサンプルを取り出して、兜太さんの文章を写真で示してみよう。
俳句への興味の有り無しに係わらず、ご一読をお勧めする。

 さて、今日はいい天気でどこか野山で弁当を広げたい気分だが、女房殿にお付合いして映画を観に行く。「記憶にございません!」だそうな、笑ってきます!

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