mixiユーザー(id:10258677)

2020年12月29日22:28

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「ホモ・サピエンスの涙」 あぁ人間って…

1日で3本。「アーニャはきっと来る」と、「ザ・プロム」の間に、
ピッタリ嵌ったし(間でパンを齧った)、何となく題が気になっていて、
予告編や評を見ても、何だかサッパリつかめなくて、観ようかな〜と。

「ホモ・サピエンスの涙」
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=10258677&id=5051386

http://www.bitters.co.jp/homosapi/

空を飛ぶ恋人たち。下に広がるのは廃墟となった町。
地下鉄から出てきた男が同級生と久しぶりに出会って無視される。
彼は後半にも出て来て、その同級生が自分より成績は良くなかったのに、
博士になっていることを羨む。妻が海外旅行もしたと励ましても頷けない。

ピチピチのパンツの女性を、離れて見つめる恋をしたことのない男。
砲撃の音が響く部屋の将校と、世界征服の野望の潰えたヒトラー。
シベリヤの収容所に送られる延々と続く敗軍の兵士たちの列。

神の存在を信じられなくなった牧師。医師を訪ね来週だからと追い返される。
窓を眺める女。電車の中で、さめざめと泣く男に、それを咎める男。

分からないなぁ…と思いながら観ていて、ようやく気付いたこと、
シャガールの絵を思わせる空の恋人たち、その視点は、空から見下ろす
神の視点。そのもとでの人間の営みが描かれている?ということ。

そして神父の涙に思い出したニーチェの「神は死んだ」という言葉。
もう神は、信仰を失くした現代の人間を見守ってはくれないのか。

ラスト、荒野の中で車が壊れて呆然とする男の背中。
過ちを重ね、思うようにはならない人生。

それでも生きて行こう、愛おしい人間たちよ…。
観終えて人が恋しくなるような、不思議な映画だった。

原題はOM DET OÄNDLIGA(無限について)
英題はそのまま、 ABOUT ENDLESSNESS 。
邦題も良いなと思う。「私、トマトのほうがいい」じゃないけど。

スウェ―デンのロイ・アンダーソン監督。お話を伺っても、
やっぱり分かりにくいお話。エネルギーの法則ですヨ。
トマトは分かるけれど。


大真面目で、なんとなくかったるいメイキング映像。



この映画の紹介を今年の最後にしようと思った次第。
来年はコロナ禍が収まって、心置きなく映画が観られますように!
7 8

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