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2020年11月25日23:57

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「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!」恋の使いのてんやわんや

と〜っても面白かった。ロマンティック・コメディで歴史絡み、
もう好みにピッタリで、大満足。久しぶりに★5を付けちゃった。
歴史好きな連れ合いも楽しんでいた。

「シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!」
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=10258677&id=5048063

https://cyranoniaitai.com/

1895年、大女優サラ・ベルナール(クレマンティーヌ・セラリエ)が
主演なのに退屈と、上演打ち切りの抒情劇『遠い国の姫君』。
作者は詩人のエドモン・ロスタン(トマ・ソリヴェレス)。

スランプのエドモンに、名優コンスタン・コクラン(オリヴィエ・グルメ)を
紹介するから、2時間後に作品を持って会いに行けと、サラは言う。

カフェで黒人の店主のオノレ(ジャン=ミシェル・マルシアル)に
ヒントを得て「シラノ・ド・ベルジュラック」と題材だけは決まった。
コクランからは「喜劇、3幕、明日から稽古」ととんでもない話。

そこに友人で俳優の、美男だが粗野なレオ(トム・レーブ)が現れ、
衣装係のジャンヌ(リュシー・ブジュナー)を口説く相談を持ち掛けられる。

ロミジュリのように、バルコニーのジャンヌを下から仰ぐレオ。
エドモンはロマンティックな言葉をレオに教え、ジャンヌはウットリ。

そしてエドモンはこれを題材にと、レオに成り代わって手紙を書く。
しかし妻ロズムンド(アリス・ドゥ・ランクザン)に誤解され…。

一方舞台は、女優のマリアもコクランも、私のセリフが少ない、
決闘場面を入れろ、息子を使え…と言いたい放題。
しかもコクランの借金に、舞台使用禁止命令が出て…。

追いかけられる執筆、妻との諍い、舞台の揉め事…
果たして初日は迎えられるの?と、ハラハラさせる。

オノレの名演説、マリアの励ましのセリフなど、
そこだけで胸を打つ言葉が鏤められ、なのにマリアが一瞬後にひっくり返したりと、
展開が実に面白い。

さぁやるぞ!の意気込みに「ボレロ」の曲が被さって盛り上がり、
ホントによくできている。監督・原案・脚本は、
舞台が大評判で、映画化に乗り出したというアレクシス・ミシェリ。


ネタバレになるけれど、歴史で分かっているからいいよね。
エドモン・ロスタンのこの劇は、初日から大評判で、
なんと連続500日も上演が続いたという。

映画のエンドロールになっても、席を立たないこと。
コクランからドパルデューまで、代々のシラノを演じた俳優の写真、
実在のマリアやロザムンド、そしてエドモンの写真も楽しめる、

シラノ・ド・ベルジュラック(1619-55)も実在の人物。
剣豪作家、哲学者、理学者で軍隊にも行き、100人相手の武勇伝もあり、
自由思想家や文人と交わり、『月世界旅行記』『太陽世界旅行記』まで書き、
同性愛の相手に送った恋文も残っているとか。

彼の書いた本をモリエールが剽窃し、それで彼の本が知られたり、
このロスタンの劇で有名になったのは、少々お気の毒?

材木でぶん殴られたのは事実らしいが、死亡原因は梅毒だそうで、
男女共ご不自由は無かったのかも? 大きな鼻でもないような。
ウィキの絵では、確かに大きな鼻は描かれていませんでした。

ただ、この邦題、ヘンじゃない? 原題の「Edmond」では日本人には分からない。
でも「会いたい」じゃなくて、「シラノ・ド・ベルジュラックの恋文騒動」とか?
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