ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞に期待し過ぎたかな？
「スパイの妻」
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=10258677&id=5035421
https://wos.bitters.co.jp
1940年、神戸で貿易会社を営む優作（高橋一生）と
妻の聡子（蒼井優）は、女中の駒子（恒松祐里）や、
執事の金村（みのすけ）に仕えられ、裕福に幸せに暮らしていた。
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演技をして、映写して社員とともに楽しんだりする。
優作は、社で働く甥の文雄(坂東龍汰)と、満州に出張する。
帰国した優作は、女性と一緒で、何か企んでいるらしい。
聡子は幼馴染で神戸憲兵の分隊長津森泰治(東出昌大)に呼び出され、
夫と共に帰国した女性が殺されたこと、スパイの疑いを告げられた。
聡子は女性のいたことに嫉妬し、知らない優作の一面があると気づく。
優作は満州で目にした、日本の残虐な国家機密を8�个忙�っていた。
コスモポリタンを自称する優作は、この機密を明らかにしようと考える。
聡子は、愛する優作の行動を危ぶみ、危険から守ろうとする。
これは聡子の優作へのラブストーリー。でも納得できない。
彼のために、甥の文雄を売って拷問に合わせる？ 痛みはないの？
そこまで考えなかったとしたら、浅はかすぎる行動にしか見えない。
（正直に言えば、馬鹿みたい…）
優作は「正義」のため？ 本物のスパイ？ で、利用したわけ？
彼の真意は、どこまでも見えない。なんだか気持ちが悪い。
フィルムを絡めたり、思わせぶりに使用人を登場させたり、
謎の深め方は面白いが、最後まで謎は残ったまま。
それにしても優作だとしたら、聡子への仕打ちは酷すぎやしないか？
素直で可愛らしい聡子の、思い込みに過ぎないかもしれない視点から描かれている。
「私が狂ってないとしたら、社会が狂っている」のセリフは響く。
★は3.5
なお、優作が見た国家機密は、日本軍の生物兵器研究の満州731部隊がモデル。
https://ja.wikipedia.org/wiki/731%E9%83%A8%E9%9A%8A
確かに狂っている。長いけれど読めば、優作の怒りも分かるというもの。
「マルタ」（丸太）と呼んで、生きている中国人で人体実験をしていた。
ペスト菌、コレラ菌、チフス菌、炭疽菌…そして町に菌を散布した。
彼らは戦後、米軍に協力することで罪を免れ、報酬すら得た人もいて、
大学や製薬会社に職を得ていった。満州での日本軍の暗黒の部分。
こういう歴史の加害の真実を知らない人も、今は増えただろうと思う。
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