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2020年07月22日12:00

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「パブリック 図書館の奇跡」 公共が問われ、自分が問われる…

これは絶対に観ようと思っていた。孫シッターの日だが、
午後も授業が入って、午前中なら観られる!とすぐに予約。
平日午前なのに、コロナ禍対応の席のためもあって、開演時には満員。

「パブリック 図書館の奇跡」
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=10258677&id=4993364

https://longride.jp/public/

オハイオ州シンシナティの公共図書館には、様々な人がやってくる。
館員への本の問い合わせの、奇妙な質問に笑わせられる。
その中に、洗面所使用や居場所を求めて常連のホームレスたちもいる。

寒波の襲った日の朝、1人のホームレスが図書館の前で凍死していた。

図書館員グッドソン(エミリオ・エステベス監督・脚本・主演)が、
いつものように閉館の放送と共に帰りを促すと、ホームレス達から、
「今夜は帰らない。シェルターは満杯、外では凍死だ」と告げられる。


ホームレスは約70人。グッドソンは寒波の一夜を凌がせてやろうとする。
やがて警官が現れ、彼らは追い出されまいと出入り口を封鎖する。

騒ぎが始まるまでに訴訟問題や市長選、ホームレス達との関りなど、
様々な布告が打たれ、それが騒ぎになってから生きてくる。

騒ぎが始まるまでに訴訟問題や、隣室の女性や、ホームレス達との関り、
市長選など、様々な布告が打たれ、それが騒ぎになってから生きてくる。

本人を知る同僚のマイラ(ジェナ・マローン)、図書館長、警備員、
隣人でやはりアル中だったアンジェラ(テイラー・シリング)ら、

警察の交渉人のビル(アレック・ボールドウィン)と息子、
大事件になれば…と自分が目立つことしか考えないテレビキャスター、
ホームレスたちの1人1人と、それぞれの個性も粒立ってくる。

「凍死しないために図書館に居させてくれ」だけなのに、
「図書館員が人質を取って占拠」との警察に、センセーショナルな報道、
グッドソンのアル中の過去も暴かれ、犯罪者で精神の危うい「容疑者」に。

市長選候補の検察官は自分が解決をと強硬突破を主張、機動隊まで出動。
さて、追いつめられたグッドソンとホームレス達の解決策は?

原題は「The Public」で、Public Libraryではないこと、
そして主人公の名前がGoodson、エステベス監督の意図を感じる。

今のBLMのこと、格差社会のこと、ホームレスを見ないふりの自分のこと。
コロナ禍でネットカフェ難民となった人の新宿区の施設早期追い出しのこと…。

自分が図書館利用者で、ホームレスが居たらどう思うか?
もし、自分がグッドソンや図書館長の立場だったらどうしたか?

せめて一般の市民の行動くらいはできるだろうか…。
逃げ場のないキツイ問いかけを自分にすることになった。

『怒りの葡萄』の朗読、それへの図書館長の一言、胸が一杯になる。
ここ見逃さないで心に刻んで! 

映画としては、もう一つ整理できなかったの?とも思うが、
考えさせられる点で★をアップ。
ことにヒューマンドラマがお好きな方に、しっかりお勧めできる作品です。
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