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2020年06月29日00:49

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「その手に触れるまで」 イスラム過激思想と少年

未熟な少年を過激思想に染めるのは、容易いことなのかもしれない。
そして染まった色を抜くのは困難を極めるのかも…。

「その手に触れるまで」

http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=10258677&id=4975817
http://bitters.co.jp/sonoteni/

イスラムの少年アメッド(イディル・ベン・アディ)は13歳。
母と姉兄と一緒にベルギーで暮らす。父が家を出て以来、
母はイスラムでは禁止されているアルコールをたしなむようになっている。

つい1か月前まではゲーム好きのごく普通の子供だったが、
イスラム教の導師の教えに、素直に潔癖で直情的に、礼拝時間は厳格に守り、
女とは握手をしない、背教者は殺せと、教えられたままを盲信する。

イネス先生(ミリエム・アケデュウ)は、放課後のアラビア語の時間に、
一般的な言葉の歌を歌って、日常会話が出来るようにと考える。
父母や生徒たちにはかると、コーランだけでと頑強に言い張る人もいる。

「コーラン以外の歌で教えるのは背教者だ」と導師に言われたアメッドは、
背教者は殺せとの教え通りイネス先生をナイフで襲って失敗。

少年院に送られる。

ナイフが無いからと、歯ブラシの柄を研ぎ、古い金具を引き抜き…。
映画は少年院でも頑なにイスラムの教えを守り、
イネス先生の面会を求めて、殺す機会を狙うアマッドに対し、
周りの大人たちの丁寧な関わり、少女との出会いを細やかに描いていく。


アマッドが未熟であるが故にか、なぜ彼が急激にイスラムに傾倒したのか、
その心のうちは語られない。そして終わり方もあまりに唐突。
一瞬のうちに彼は改悛したのか?

ダルデンヌ兄弟監督作品という期待が大きかっただけに、
イスラム過激派となる心情を知りたいとの思いがあっただけにやや肩透かし。

思春期に入りたての少年は、こんなにも盲信し容易いのか、
無垢で純真で、無知で素直であれば、宗教を装って、
過激思想に染めることは、これほど簡単なのかと思うと暗然とする。
★は3.5
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