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2020年06月24日22:49

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「SKIN/スキン」刺青の人種差別・白人至上主義者の痛みと再生

試写会葉書の刺青の顔に一瞬、躊躇ったほどだが、観て良かった。

「SKIN/スキン」
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=10258677&id=4982748

http://skin-2020.com/

短編「スキン」の同時上映は夜だけのようだが、
短編だけでもうノックアウトされた気分。この監督の凄味が分かる。
出来れば長編だけでなく、短編ともども観ることをお勧め。

短編は、黒人に僅かな言いがかりで暴力を振るう
レイシスト(人種差別主義者)団体に属する男。
息子は可愛がっているが、まだ10歳にもならないのに銃を教え込む。

暴力を振るわれた黒人の仲間が、彼にした仕返しとは…ショック。
ヘイトクライム(偏見・憎悪犯罪)の問題を明快に、衝撃的に抉る。
納得のアカデミー賞短編賞でしたが、憎しみの果ての絶望に突き落とされる。

そして本編の「スキン」。
父親のDVから逃れ路上生活をしていたブライオン(ジェイミー・ベル)は、
白人至上主義のレイシスト・グループのボス夫妻に拾われる。

可愛がられて育つが、有色人種へのヘイト意識を植え付けられる。
顔や腕、ボディ、両足にまで刺青を入れ、自分も刺青ショップを持つ。

シングルマザーのジュリー(ダニエル・マクドナルド)と娘3人は、
ヘイト集会で演奏するが会員たちにからかわれ、救ったのはブライオン。

2人は付き合うようになり、ブライオンを警戒していた娘たちも親しむ。
彼は母娘とのまともな生活に触れ、自分も…と徐々に願うようになる。
しかし、全身の刺青のために、まともな仕事には就けない。

ヘイト団体の仲間からは、抜けることは許さないと襲撃される。
ジュリー母娘は命の危険を感じ、離れてしまう。
悩んだ末にブライオンが選択した手段とは? 16か月24回を彼は耐えた。

「スキン」は実話がもと。ガイ・ナティーヴ監督によると、
ブライオンは知的なタイプだが、差別と暴力を刷り込まれてきたという。
これは、ブライアンの顔もあるメイキング映像


そして監督は、今まで自分に憎しみをぶつけていた相手が、
「変わりたい」と言ってきたとき、それを受け入れられるかと問う。
https://www.tst-movie.jp/int/skin-guynattiv20200622.html

ジェイミー・ベルの演技は圧巻、怖いほどだ。
つらい衝撃的な映画だが、それぞれのシーンで強く深い印象を残す。


「スキン」の短編は絶望を描くが、本編は「希望」の光が差し込む。
お勧めですが、覚悟して観て下さい。それだけの価値はあります。

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