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2020年02月06日01:04

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「イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり」 空は危険で美しい!

気球は、渡良瀬遊水地で2回ほど知人に乗せてもらった。
知人は気球の国内・国際大会にも出場、ヨーロッパアルプスも飛び越えている。

熱気球なので、バーナーで熱した空気を地上で送り込むとだんだん気球が膨れてくる。
空に上がってバーナーを止めると突然、賑やかな小鳥の声、遠くの町の音が聞こえる。
最初は籠にしがみ付いていたが、やがて空気の流れを肌に感じながら、
遥か彼方までの光景を楽しんだ。

「イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり」
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=10258677&id=4896437
https://gaga.ne.jp/intothesky/

気象学者のジェイムズ(エディ・レッドメイン)は、上空の天候を知ることで、
天気予報ができるだろう、そして農漁業はじめ多くの人を守り、利益になると考える。

資金を集めようと王立協会で演説するが、天気予報ができるわけないと馬鹿にされる。
ジェイムズは、気球乗りのアメリア(フェリシティ・ジョーンズ)に頼み込む。
夫(ヴァンサン・ペレーズ)を気球で失ったアメリアは躊躇うが、2人で乗ることに。

その頃の気球乗りは、一種のショーだった。
大勢の人が集まり、華やかに登場したアメリアは、花火を打ち上げたり、
犬にパラシュートを付けて着地させたりとジェイムズをハラハラさせる。

気球は上昇を始める。当時の記録はフランス人の7000m。それを超えようとしていた。

天気が崩れ、雷雨の中に巻き込まれるが脱出、高度を上げ、7000mは越えた。
雲の上に出れば、透明なほどの青空にほっかりと浮かぶ気球。とても美しい。
群れ飛ぶ蝶(アルプスを越えて渡りをするアサギマダラ)のシーンも幻想的。

しかし、酸素が薄くなり、寒さも厳しくなる。
ジェイムズの観測記録を運ぶ伝書鳩も飛べなくなってきた。そして…。

今のジェット機が飛ぶ高度で、命の危険に立ち向かうアメリアの姿に息を呑む。
気球の凍り付いた綱をよじ登り、てっぺんの開口部を開けようと奮闘する。
酸素が薄くなって思考力が鈍るなかで、人類未踏の大空の中でのスリル。

ようやく降下を始めたものの勢いが強すぎて、
このままでは落ちてしまう。軽くしないと…。
帰れるとは分かっているものの、ハラハラしっぱなし。まさかあんな着地をするとは!
「傍観者は世界を開かない。選んで生きる者が開く」。何事もそうかもしれない。

最初に「事実にインスパイアされた」とあるが、登場人物のモデルがいる。
でも、2組の話が撚り合わされており、本当はジェイムズと飛んだのは男性操縦士。
華やかさを狙って女性に置き換えたのでしょう。そして女性の気球乗りも実在。

気象学者のジェイムズ・グレーシャー(1809-1903)と飛んだのは、
気球操縦者のヘンリー・トレーシー・コックスウェル(1819-1900)。
2人はこの映画同様の気球による気象観測を何度も行い、1862年に10900mに達する。
その時にジェイムズの失神、ヘンリーの活躍でバルブを開けて降下という事件が起きた。
ここに詳しい。https://gigazine.net/news/20160504-19th-century-balloon-flight/

一方、アメリアのモデルは67回もの気球飛行をした
ソフィ・ブランシャール(1778-1819)。夫のピエール(1753-1809)は、
飛行中に卒中を起こし死亡、その後も彼女は乗り続けます。

ナポレオンに「公式な祭日のための飛行士」、
ルイ18世には「復古王政の公式飛行士」とされます。
当事の気球は水素ガス。ショーに使用した花火の引火で気球が燃え、ソフィーは墜死。

まさに危険と隣り合わせの冒険者たち。
彼らは選んで大空に飛び立ち、そして成層圏にまで達したのでした!
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