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2020年01月24日23:35

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「コンプリシティ/優しい共犯」藤竜也が中国の青年に蕎麦打ちを

しばらく前に、技能実習生が失踪するというニュースが問題になっていた。
2018年末の時点で実習生は32万8360人。 そして18年度の失踪者は9052人。

聞いてきた仕事と違う、技術は教えてくれない、労働が過酷、
賃金額が低いどころか未払いさえあるという実習先が実在した。

「コンプリシティ/優しい共犯」
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=10258677&id=4896436
https://complicity.movie/

中国の斡旋業者に、借金までして金を払い、技能実習生として働いて腕を磨き、
お金も貯めようと日本に来たチェン・リャン(ルー・ユーライ)。

ところが実習先では、技能どころか安い賃金の労働者としてこき使われる。
逃げ出して、手に入れた偽造在留カードと携帯番号で他人に成りすます。
まともな就職先を探して、紹介されたのは地方の蕎麦屋だった。

蕎麦屋の仕事を継ごうとしない息子とは疎遠な主人(藤竜也)は素っ気ないが、
やがて、惜しみなく働くチェンに心を許し、蕎麦打ちを教えようとする。
しかし、不法滞在者のチェンには追い手が…。

悲しみと怯えを湛えたルー・ユーライの瞳が印象的。
中国ロケの貧しい家族の彼への期待の大きさを思うと、日本の実習生の実情が胸に痛い。

失踪者が出ても仕方がないような労働環境。技能実習生とは名ばかりで、
5年で2万6000人の失踪者に、ようやく監督官庁が現場指導に動き出したが…。

映画は声高に批評するというよりは、チェンの行動を丁寧に追い、
蕎麦屋の主人や、客の女性とチェンのつかの間の出会いを優しく描く。
ラストシーンに希望はあるのだろうか。
近浦啓監督の長編第1作とか。良い映画です。
12 10

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