mixiユーザー(id:10258677)

2019年12月15日01:01

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「ひとよ」このような選択しかなかったのか。

「どうしてこんな選択をしちゃうの?」と何度も思わされる。
いくらDV夫だって、離婚という方法だってあるだろうに。

例え自分は墓場まで持って行かねばならない自責の念で苦しむとしても、
子供のことを想えば「事故だ」って言い張ることもあり得ただろうに。

「ひとよ」
http://mixi.jp/view_item.pl?reviewer_id=10258677&id=4855846
https://hitoyo-movie.jp/

子供たちを虐待する父親を、自営のタクシーでひき殺した母こはる(田中裕子)が、
出所して、各地を放浪の末、約束した15年が経ったからと家に帰ってきた。

こはるは子供たちに「これで自由だ、あなたたちは何にでもなれる」と
言い残していたが、子供たちは学校や社会から、
殺人者の子供とみられ、苦しい日々を過ごしてきたのだ。

そして今、タクシー会社に働く長男の大樹(鈴木亮平)は、
妻と向き合えず別居して離婚寸前。
母親のことも、妻にはあいまいに「死んだ」とごまかし続けてきた。

末娘だった園子(松岡茉優)は、殺人者の娘と苛められて美容学校を中退。
スナックで働く。
地元で暮らす大樹と園子は、戸惑いながらも帰ってきた母親を受け入れる。

二男の雄二(佐藤健)は東京に逃れ、
小説家を志しながらも叶わずポルノ雑誌の記者をしている。
呼び寄せられた雄二は、母親の事件と今をレポートして小説に仕立て上げようと企む。

彼は子供の頃、ポルノ雑誌の万引きをして母親に救われている。
このシーンのこはるが何とも面白い。なんという解決方法か!と。

タクシー会社には、母親の顔写真入りの記事のコピーが張られたり、
タイヤが刺されたりと嫌がらせが続く。その原因を作ったのも雄二だった。

タクシー会社に就職してきた堂下(佐々木蔵之介)は離婚して17歳の息子がいる。
堂下は元暴力団員。どうも息子は巻き込まれているらしいと知る。
この親子、どうなるのか知りたい! 

なんと、人間は愚かな判断をしてしまうのだろう。
こはるは子供たちが「人殺しの子」と囁かれるとは思わなかったのか。
自分ひとりが罪を引き受けたつもりでいたのか。
「良かったと思わなければやっていけない」という、切実なこはるの
逆手にとった強さには感嘆するが、頷けない。

俳優たちは、それぞれの表情など本当に上手い。
しかし、ストーリーは彼らの選択に共感するのは難しい。
こはるは殺人者なのか、子供を守った聖母なのか? どちらも違うだろう。
こうでしか生きられなかったのか…と思わせる辛い話だった。
11 10

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